テーマ:映画レビュー(894)
カテゴリ:観ました^^*☆
下の少年は、こちらに帰省している間に、中学校時の仲良しグループと 『 THE DARK KNIGHT 』を観に行き、 かなりの衝撃を受けた様子で帰宅して来た。 例の 居酒屋さんから放り出された日 である。 そのショーゲキを懸命に囀ろうとしてくれるのだが、慌てて私はSTOPを掛ける。 「 なんで~ヽ(`Д´)ノ 」 「 おかあさんも観に行く予定だから! 」 「 工エエェェ(´д`)ェェエエ工工 喋りたいっ! 喋りたいっ! あぁ、もう喋ってしまいそ~~ヽ(`Д´)ノ 」 だぁああああ!!! 彼は前作 『 BATMAN BEGINS 』 を観ていない。 なんとか彼を黙らすべく、地上波放送を録画していたDVDをチラつかせ、 「 ふふん、ひとことでも喋ったら、これを観せてあげないっ。 喋らないのなら、一緒に観てあげやう ( ̄^ ̄) 」 「 。。。判った。 喋らんけん、一緒に観る 」 勝った!!! 先回の『 BATMAN BEGINS 』の私の満足度は意外に高く、 当時のブログを読み返すと、5点満点の4.7点という高得点。 前評判の割りにショボかった謙さんの役どころが不満であった程度。 それはきっと、コミックスのバットマンも余り識らないし、 これまでのバットマン映画を全く観ていないために、 バットマンそのものに、特に思い入れがなかったせいではあるまいか。 そして、私としては下馬評評価が意外に分かれた、と感じたのも、 そのせいではなかろうか、と思っていた。 で、前作に満足しちゃってた私は、 これまでのバットマン作品を前もって学習していく必要はないし、 こだわりのない分、純粋に楽しめたのだろう、と結論づけたのだった。 が、今回の『 THE DARK KNIGHT 』は、 『 BATMAN BEGINS 』を受けての作品だから、 『 BATMAN BEGINS 』を観て臨んだ方が絶対イイ。 案の定、『 BATMAN BEGINS 』を観ながら、 あ、このひとだ! ふぅん、こんな風に出逢っていたんぢゃね。 あ、このひと! あぁ、それでこのひとが「 ご主人さま 」って言うんだ~。 そこここで発見して呟いてる少年。 いきなり『 THE DARK KNIGHT 』はちょっと可愛想だったなぁ。。。 だもんで、夫の定休日に、 下の少年の追体験をしよう、と、夫を連れ出す前にと、 定休日前夜、『 BATMAN BEGINS 』を観せる。 これでいつもの如く、途中で寝てしまったら、 翌週のレディスディに私独りで行くつもりだったが、 最後までしっかり観て、面白かった! と言うので、連れて行く(笑)ことに。 【 以下 ネタバレ注意 です 】 はぅぅ。 (o_ _)oポテッ 重たかったです。 夫としばし、言の葉交わせず。 最初の銀行強盗のシーンから戦慄し通し。 余りにも強烈だった ヒース・レジャーのジョーカー。 きっと 後でパンフを買って、 この御方が、クランクアップ後に急逝されたことを識り、 ますます 戦慄してしまう。 この鬼気迫る戦慄の演技は、そのことを予感しておられたのか、と 思ってしまうほど。 この演技への、この作品への惜しみない賞賛を識らずに逝くなんて。。。 んでも、、、きっとご本人は、思うように演じ切られ、 ご満足して逝かれたのだと勝手に想い、ご冥福を祈ります(;;)。 そのジョーカーの語る言の葉は、 容赦なく、バットマンを、私たちを切り刻む。 しかも 破壊をゲームのように楽しむ、その圧倒的な暴力には、 何の秩序も法則も主張すらなく、 単純なる勧善懲悪的正義の危うさをみせつけ、 ひととひととの絆や社会そのものをあっけなく崩壊させていく。 「 おまえが生きている限り 俺は死なない 」 バットマンが光であり、ジョーカーは影。 バットマンによって自分は生み出されたようなものであるから。 ジョーカーはバットマンを憎悪し、殺害予告を行うが、 バットマンを追い詰めた挙句、 ここで殺してしまうと、面白くない = 自分の存在意義もまたなくなる と、 殺さず、いたぶり続けることを宣言する。 しかし、『 絶対悪 』から憎悪されるバットマンもまた、光にはなれず、 孤高の 『 DARK KNIGHT 』 なのであり、 彼とは対象的に司法制度の枠内で、民草の支持を得、 燦然と光り輝いていた正義の騎士『 WHITE KNIGHT 』は、 失意と絶望の果てに復讐の鬼となり、ジョーカーの手を取る。 「 ヒーローとして死ぬか 生きて悪党と成り果てるか 」。 バットマンはバットマンで、 「 ひとびとに幻想を与えることも必要だ 」と、 「 WHITE KNIGHT 」の偶像を守るため、 自ら『 DARK KNIGHT 』への道を選ぶけれど、 彼自身がまた、大切に胸に抱く恋人の愛が幻想なのだと気付かない。 何より 圧倒的な力、究極の悪の前に、ひとは無力で、救いがない―― けれど唯一の救いは、2隻のフェリーのなかで起こったできごと。 それこそが、混沌たる現代のなかで、 私たちが生き残れる道、ではないだろうか。 圧倒的な悪の前には、DARKなKNIGHTも必要である、と。 正義を振りかざして「 武 」の力を取る。 圧倒的な「 武 」の力で 悪を粛清する。 「 今は そのときではない 」 と 『 DARK KNIGHT 』 の道を選び取り、 犬にまで追われ、身を潜めざるを得ない。 苦悩のバットマンに米國そのものを重ね合わせているようでもあるのだが。 ――きっと本当は、それではダメ、なのだ。 フェリーのひとびとが取った行動。 それのみが、私たちを明日へ繋ぐ一縷の光。 「 正義 」と「 幻想 」を胸に バットマンは 何処へ行く? 米國は 何処へ行く? 「 いまどき 」 の若者である下の少年の囀りに STOPを掛けてしまったことを悔やみつつ。 シリーズでどう決着をつけるのか。 ヒース・レジャーもいない。 今から 待たれる。 「 狂っちまおうぜ 俺と一緒に。 こんな世の中、全てジョークさ 」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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