テーマ:ただ思うこと・・・(562)
カテゴリ:地域のこと。
最後まで残っていた稲も刈り取られ、今シーズンお初の溝掃除。 私たちの班は、下水道のない生活排水がそのまま農業用水に入り込み、 そのまま蛍の息づく小さな川に流れ込むため、 農閑期の間中、月に1度、総出で溝掃除をする。 先頭集団が、排水溝 = 農業用水路 の周りの草や苔を取り除き、 その後ろから、皆が中腰で竹箒やデッキブラシで底をこそげて進む。 軍手に長靴。 700mもの距離を、中腰状態、時には膝頭まで屈んで竹箒で溝底を擦る作業は、 班内で1番若い私でさえ、本気でヤれば、たちまち息が上がり、腰が痛む。 術後の弱い私の膝は、曲がらず、踏ん張れず、 殆ど身体を二つ折りにしなくてはならない深い箇所は、 頭から突っ込みそうになるため、下に降り、 溝に浸かりながら溝底を掃除する。 件の家は、変わらず全窓にシャッターを下ろしたまま。 在か不在か、そのお宅からは 誰も溝掃除に出て来ない。 出て来られないのだろう と 胸が痛む。 常には、おおっぴらに、他家の噂話に興じる方々だから、 私でさえ、一昨夜のパトカー騒動に言及されたら、どうしようと 憂鬱だったのだから。 おとな なのか、 触らぬ神に祟りなし、的信条 からか。 誰ひとり、それ に触れず、 不自然な沈黙を持って 皆の竹箒の音だけがこだまする。 例え、何処でどのように噂されていたとしても。 普段は井戸端会議よろしく、何かと誰彼の噂話が喧しいこの溝掃除の場で、 誰もが沈黙を守る、今は ただ。 今は ただ そのことに 独り 感謝する。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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