テーマ:庭・・ひとりごと(1482)
カテゴリ:観ました^^*☆
夫の定休日。 いきなり 近隣の次期長老格なご婦人の来訪を受け、 夫共々、ご招待を受ける。 なにごと??? PTAの役員時代に、地域の顔役さんとして出席される様々な会議で ご一緒してはいたが、これまでご挨拶程度のお付き合いであり、 ご自宅に「 ご招待 」を受ける覚えはなく、恐慌状態に陥ったところ、 夫が 朝、散歩をかねて、理容院へ行く途中、 このご婦人に出逢い、ご挨拶がてら、ちょこちょこっとお話をしたらしい。 そこから、ご婦人のご招待、となったやうであるが、、、うぅむー。 この御方は、長年とある施設の事務長をしておられ、 数年前に定年退職されたものの、「 切れ者 」として評判で、 米作りに畑作、書に絵画に造園に、と何でもござれのスーパーウーマン、 という噂を耳にしてはいたのだったが。 夫と共に訊ねると、まずは椿、山茶花、木瓜、桃、八重桜など木々のお花や パンジー、芝桜、ムスカリなどが咲き乱れる裏庭へ通され。 これには木札なし(滝汗)。 椿は2000種以上あるらしいが、 こんなダリアのような椿は初めてみる。 驚くのは、木々にそれらの名前と何科であるかまで、 白く塗られた木札に筆書きされたものがひとつひとつ掛けられていること。 根元には、その木に因んだ俳句や短歌などが書かれているのもあり。 そう、まるで、小さな植物園のやうな、校庭のやうな、、、 なんだか、百葉箱が置いてありそうな気さえしてくる。 、、、と思ってたら、「 二宮金次郎 」の石像があったので、 ひっくり返りそうになった(滝汗)。 そして膝に不安のある私に杖をお貸し下さり、 急勾配の裏山に登るのであるが、余りに急な山道であるため、 大事をとって、私は途中でリタイア。 夫とご婦人だけで、山の中腹にあるお花見用の山小屋まで登る。 遅咲きの桜をくぐったその先は、 山躑躅が満開で、ピンクにけむる。 1週間後には、 藤で 紫が加わる。 山中の珍しい山野草の横にも、木札が立てられており、 山の木々――源平桃、桜、桃、山躑躅が満開――にも、木札が掛かり、 俳句や短歌が紹介されているのには、唸ってしまふ。 そして、私たちが歩いているこの道も、ご婦人が何十年も掛けて、 こつこつとセメント100袋以上使って、背負って登っては作られた由であり、 花見用の山小屋までも。。。!! @@ お花見の季節には、職場の方々や知人、友人たちが、 お弁当持参で、毎日のように来訪される由。 それで、杖も何本もあったんだ。 @@ まさにご自身で「 造園 」されたお庭を一通り見せていただいた後、 ご自宅から離れ、目の前の川を渡る。 渡ってすぐの川傍で、数年前に絶えられたお宅を買い取られた、という ごのご婦人の別邸へ案内される。 旅館の小さな離れ、のやうな佇まいで、 四方ぐるりが全面ガラスの廊下であり、お部屋との間は障子。 障子を開け放つと、そのままガラス越しに外が観え、 座敷に居ながらにして、庭越しに山々の風景を愛でることができるのである。 昭和の始めに建てられた古家で、 外壁や内壁は、このご婦人が壁土を練って修繕された由にて、またもや絶句する。 山側の廊下のちょっとしたコーナーに 知人から貰い受けた二段ベッドをご自身で改造してつくったベッドが置かれ、 すっぽり覆うベッドカバーは、またまたこのご婦人の手になる見事なパッチワーク。 ベッドさえ生活感のない、 3つの和室と土間に昔ながらの竈のあるこの古家は、 大きな座卓と本棚と小さな茶屋、そして廊下のベッドしか家具がなく、 まるごと このご婦人の隠れ家、アトリエのような雰囲気。 くぅぅ、理想の空間ぢゃ~~~ 私たちのために、セッティングされていた和菓子とお茶をいただきながら、 毎年10匹近くの蝮を捕まえては、蝮酒にする話、 傍の川で鮎を追い込み、手づかみで20尾は捕る話、 大きな狐を捕まえた話。 世界各国を旅行されたときのお話、 書の話、絵画の話。。。。。 なんと毎日がエキサイティングで、どきどきわくわくな生活なんだろう。 現役時代には毎日激務をこなしつつ、 ご夫君とおふたりの稲作も畑作もこなされ、その上での趣味と実益三昧。 噂以上の まさに スーパーウーマン!! 私の賞賛の視線を感じられてか、ふっと笑われたご婦人は、 早くにご両親をなくされ、苦しい経済状態のなか学校にも通えず、 何もかも独学で死に物狂いでヤって来た話をさらりとおっしゃる。 書も絵も簿記もPCも、全て必要に迫られて独学して来た。 庭の木も草花も、全て種から育て、 或いは自生しているものを育てて来たのだ、と。 二宮金次郎は、知人宅の庭から撤去されるというのを聞き、 捨てられるのを看過出来ずに引き取ったのだ、と。 自生してきたアケビの花 お子さんの話になったとき、このご婦人のお顔がくもる。 目のなかに入れても痛くない一人娘さんは、 幼少時に稲刈りを手伝ってくれていた折、 彼女が抱えた稲束から、幼い彼女の足元に、ぽとり と 蝮が落ち、 鎌首もたげて彼女を睨みつけた事件の後、 この娘さんは一切の農作業ができなくなり、この地を疎み、 高校からこの地を離れ、都会で暮らしておられる由。 「 だからかしらねぇえ。 私は 蝮が大嫌いで。 蝮が出た!と聞けば 何処へでもすっ飛んでいって捕らえては 一升瓶に突っ込んでヤるの。 1ヶ月の間、毎日水を替え、綺麗な水になったら、 35度の焼酎に漬け込むのよ。 有名になっちゃったみたいで、よく声が掛かるし、 毎年、何人かがうちに 蝮酒下さい、と来られるの。 昨年はねぇえ、おなかがとても大きな蝮だったから 一升瓶に入らなくて。 おなかを裂くと なかから6匹、子どもが出て来て、 散り散りに逃げ出すのを全部捕まえてヤったわ。 はっはっは 」。 紡ぐ言の葉の全く出ない、夫と私。 帰りに、 「 今日は 楽しかった~~! 有難う。 どうぞまたいらしてね 」 いつでもいいから、と、 書家として著名な御方の 貴重な書の本をお貸し下さる。 これだけ多忙にされてる御方でも、定年後、一線を退かれてお淋しい?? これをお返しするときに、いったい何を持参したらいいだろう。。(滝汗)。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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