テーマ:幸せの法則について(434)
カテゴリ:観ました^^*☆
『 お堂で観る阿修羅 』、『 正倉院展 』で 早くからごった返す奈良公園。 雲ひとつない奈良の空の下、後ろ髪を引かれまくりつつ、 近鉄奈良駅に潜り 西ノ京、薬師寺を目指す。 西ノ京、斑鳩方面は、いつ訪れても観光客が少なく、 ゆっくり ゆったり 悠久の時の流れに揺蕩うことができるのであるが、 先ほどまでの、尋常でない喧騒が嘘のようで。 電車でご一緒になった方々も、写経が目的でいらっしゃるらしく、 私、ひとりが まずは白鳳伽藍へ。 出迎えてくれたのは 聚賓館まで紫式部の実がいっぱぃの小道。 秋の大宝蔵殿特別開扉や 玄奘三蔵院伽藍の大唐西域壁画公開(平山郁夫画伯)、 吉祥天画像の特別公開中、という超豪華期間であることを識らずに訪れ、 余りのラッキーさに、胸が震える。 堪能して ぃょぃょ金堂の薬師さま方、大講堂の弥勒さま方にお逢いしようと、 東僧坊に足を向けると、修学旅行生たちが到着したらしく、 マイクの声が響き、大爆笑している様子が聞こえて来て、活気付いており、 内心、がっかりした(゚゜)\バキ☆のだったが。 ざっと250名ばかりの男子高校生を前に、爆笑を取りながら説明されているのは、 この薬師寺のお坊さまであった。 これまた、なんとラッキーなのだらふ!! ちゃっかり、末席に座らせていただいて、便乗拝聴する。 薬師三尊像が「 銅 」で つくられていることについて。 薬師三尊像が「 金 」でないことに がっかりしたり、軽んじたりするひとがいるのだけれど。 当時は、銅が出土したばかりで、金と同等の価値であると考えられており、 「 銅 」という漢字が 「 金と同じ 」と記されてあることでよく判る。 「 君たち、ニッポンで最初の流通貨幣と言われるのは? 」 「 和同開珎! 」 「 そぅ、ちゃんと勉強してるようだね? それで、この和同開珎が鋳造されたのは? 「 708年~! 」 「 ぅん。 とても純度が高い自然銅が産出した事を記念して鋳造され、 元号も 和銅 と改元された程の大事件だった。 もう少し前の貨幣も識ってるか? 」 「 富本銭~! 」 「 をを! よく識っていたね! 富本銭は、683年頃につくられた、と言われてる。 薬師寺のご本尊さまは 697年に開眼しておられ、総重量は20t。 で、和銅当時、どんなに皆で頑張っても 年に200kgしか取れなかったんだ。 このことから、いったい何が判るかな? 」 お坊さまは 口々に答える生徒たちの誤りに ひとつひとつ ユーモアいっぱぃの突っ込みをお返しになられながら、 巧みに皆を誘導し、皆に当時を想像させ 考えさせ 当時のひとびとは、当時の( 粗末な ) 木造の舟で、 艱難辛苦に耐えながら隣国から大量の銅をここまで運び込んで、 これだけのご本尊さまをつくりあげた、ということに気付かせ、 「 当時のひとびとの活きる姿 」を 皆に偲ばせようとされる。 また 飛天が透かし彫りされている、 有名な東塔の水煙の拡大写真パネルを皆に見せ、 当時、こんなところ、誰が見ますか? 誰の目に映りますか? と。 1200年も前に ここで確かに生きて在った 「 名も無きひとびと 」の 丁寧で こころこもった仕事ぶりについて。 ( 満足な )機械も道具もなかった1200年前に、 自分の名を残すでもなく、ただひたすら。 こんなに丁寧で美しい仕事を していた大勢のひとびとの姿。 それを是非、肌で感じて欲しいのだと。 きっと、皆の先生方も それを願われ、 修学旅行のコースに入れられたのではないか。 もう高校生なのだから 「 古いなぁ、大きいなぁ 」「 もう、疲れたなぁ 」 そんな 小学生のような感想は要らない。 ただただ、古きひとびとの息吹を感じて帰って欲しい。 1200年前に 生きて在ったひとびと。 そのひとびとの作られたものを1200年間、大切に守って来たひとびと。 そうさせたものは 何か。 そして今を生きる君たちは、それに対してどう向き合うのだ。 「 ひとつだけ 約束をして下さい。 君らは親しいひとに出逢うと、挨拶をするよね? どうか 仏さまの前では、手を合わせる、というご挨拶を 仏さまにして下さい。 それだけが私のお願いです 」 「 では最後に、私からのご挨拶です 」 姿勢を改め、合掌されたお坊さまは、 高田光胤師の 言の葉を紡がれる ――。 とらわれない こころ かたよらない こころ こだわらない こころ ひろく ひろく もっとひろく これが般若心経 空のこころなり しん、と静まったなかで 「 どうも有難う 」 と 一礼された お坊さま。 少し間が空き、そして男子高校生たちの拍手、拍手、拍手。 私は ただただ胸 熱く。 何が私をここに引き合わせて下さったのか。 ただただ、感謝。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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