テーマ:気になるテレビ番組(2918)
カテゴリ:観ました^^*☆
この日には出社できるかと思っていたのに、やっぱり見送りとなって、 少々ヘコみ、気鬱の淵がそこまでヤって来たため、 慌てて、何か気の紛れるものは、と満杯寸前のHDDを探り。 2ヶ月分の家事も、溜まりに溜まっているため、 そうだ、アイロン掛けをしながら、これを観てやれ、と。 今年は松本清張氏の生誕百周年にあたるため、 やたらにドラマ化されてる感がある。 私は、2時間ドラマを観ることは滅多にないのだが、 昨年、『 駅路 』 を観て、思わぬ拾い物をした感 もあり、 清張氏の著作を殆ど読破しているつもりだったが、 ● この『 書道教授 』は記憶になかったこと。 ● ジェームス三木氏の脚本であること。 ● タイトルでもある『 書道教授 』の役は、【 あの 】杉本彩氏であること。 ● おそらく、見事な和服を数多く観られるであろうこと。 ● そして、いつもは追い詰め役であるらしい船越英一郎氏が 追い詰められる役であるらしいこと。 そんなこんなで録画したものの、そのままになっていたのである。 で、観始めたのだけれど。 導入部分は映画のように丁寧に作られており、 「 京都 」らしい情景が そこかしこに散りばめられたなかで、 役柄、全くオーラのない船越英一郎氏 と 本当に水が滴ってるやうな 妖艶なる杉本彩氏の対比が物凄く。 思ったほど、杉本氏には和服が似合っていない、と 最初は、そう感じたのだったが、 徐々に、目の醒める程の艶やかな色や 侘び寂びの渋いもの。 絢爛豪華そのものな和服、帯。 次々と出て来る衣装のどれをも すっと粋に着こなしていること。 何より 京都のひとだから、京都弁も自然で、 彼女の花の顔よりむしろ、彼女の佇まいや書に向かう姿勢が美しく、 和服に負けない存在感があり、濡れ場もない抑えた演技に好感を持つ。 そして、愛人役の荻野目慶子氏がまた、杉本彩氏が霞むほどの濃ゆさで凄い。 下品なまでの貪欲さと可愛さを併せ持つ悪女役が素のもの、だと思えるほどで、 これが、死体となったときの凄まじさは、ちょっとしたホラー物に負けない。 サスペンスものであるので、事情は複雑に絡み合っているのだが、 登場人物は意外に少なく、 その分、「 え、このひとがこれだけで終わり? 」という役柄だったり、 後添えとして結婚し、その後 夫を殺害したらしい、 見るからに 妖しげで、今を盛りの海千山千であろう「 書道教授 」が、 ただ 自分の字を 美しい と讃えてくれた 冴えない船越英一郎氏の命を助け、 字を「 美しい 」と 言われた倖せだけを胸に、もう逝きたいのだと、 手首を切って自死していく姿には、 その孤独の深さがもうひとつ伝わって来ず、唐突な気がしたのだったが。 この 彼女のどんでん返し的な自死で、ラスボスが明らかになり、 それでも 平穏な日常を過ごせることとなった主人公も、 最後は あろうことか自分の妻の行動で無に帰していく皮肉。 原作が記憶にないので、なんとも言えないながら、脚本では タイトルでもある「 書道教授 」を描ききれてないやうに思えてならないが、 主人公とその愛人は、よく描かれており、 鳴り物入りの書道教授は 所詮「 当て馬 」的存在であったので、 この程度で良かったのか、と 杉本氏が良かっただけに、少し残念。 観終わった後、ざらり、ぞろりと残る やり切れなさは、 清張氏の狙ったものなんだろうと思う。 、、、改めて、このドラマでの船越英一郎氏のオーラの無さにはびっくりする。 それだけ、平々凡々な「 しょうもなぃ 」サラリーマンになりきれる、 どんな役でも素に見えるほど、こなせる俳優さんなのだろうと思う。 ただ、背後に どうしても、元気印な松居一代女史がちらついちゃうので、 これは、かなりマイナスのやうな((((((((^o^;。 松本清張氏 生誕100年。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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