テーマ:車に関するお話(10443)
カテゴリ:地域のこと。
ガリガリガリと路肩が車底をこすり、 黒煙をあげて 浮き上がった右タイヤが空回り。 左2輪が脱輪し、横転しても可笑しくない程傾いた Fitのなかで。 「 …… ごめん、たっくん。 終わったわ(-_-) 」 「 …… ぅそ 」 間抜けな会話を交わしながら、 脳内が真っ白になっていくのを感じつつ、とりあえず車を降りる。 後部座席の左に居た上の少年のドアは地面で開かず、 よじ登るようにして右側から降りて来る。 ……どうしよう。 わらわらと 近隣で田畑仕事をしていた方々が 集まって来られるのが目に入り、 回らない頭で、とりあえず、元凶のゴミを 上の少年にステーションに持って行ってくれるようお願いする。 助けようと集まって下さった方々が 口々に 「 これは 儂らじゃ、どーにもならんのぅ 」 と 引き取られるのに頭を下げていると、 「 ここの田んぼのひとは、いつもここに草山をつくるけんのぅ。 この草山を気にして 反対側に落ちちゃったんぢゃろうが、 ここは元々、農道なんぢゃけぇ、あの家を悪ぅ思ぅたら、いけん 」 と言われて驚愕する。 「 とんでもありません! そんなこと、思いもしませんでしたです! 」 実際、思いもよらないことだったし、 そんな話があちらこちらで広まったら、もうこの地にいられなくなる!! 義母もまた、どんなに肩身が狭くなってしまうだろう、、、 義母!! そうか、この様子だとあっという間にご注進が飛ぶな。。。等々。 真っ白、茫然状態から、瞬間 恐慌状態に陥ったお蔭で、 逆に 今から、しなくてはならないこと について あれこれと みえてくる。 会費が辛いので、JAFから脱会して久しい。 確か、保険会社で何らかのサポートしてくれるはず、と、 ゴミ出しから戻って来た上の少年に Fitを観てて貰い、 「 初めての体験だ~ 」 と ケータイで撮影しようとする上の少年に 「 私のお蔭で将来勉強になるね^o^; 」 思わず苦笑。 我に返って 「 心配するから おとうさんなんかに送らんでよ! 」 一喝して グローブ・ボックスから保険関係一式を持って自宅に戻る。 脂汗で ぐっしょりのブレザーを脱ぎ捨てて、保険書類に目を走らせ、 レッカー作業は、30kmまで無料 、 但し他の作業が入ると 別途費用が生じる、という項目を確認し、 サポートセンターに連絡。 窓口の女性の御方の 丁重に こちらを気遣われつつながらも てきぱきと あれこれ詳細に質問して行かれる様子が、 レベルの高さを感じさせ、安心して、極力正確に答えて行く。 「 それでは 10分程度でそちらに参ります 」 と言われて こころから ほっとする。 未だ稲刈時期ではないし、時刻的にも 車は殆ど通らないハズだが、 車1台がやっとの農道を、休耕田に半分落ちたFitで塞ぐ時間は 短ければ短いほど有難いもの。。。。 ところが数分して電話が鳴り 「 申し訳ございません。 そちらの地域に対象重機車がおりませず、 到着まで 40分程度掛かります。 ご迷惑をお掛けしますが、今しばらくお待ち下さいませ 」 、、、がっくし。 ん? 対象重機車?。。。 ぅええ。 Fitの陥った状況をあれほど詳細に尋ねられたのは、 フツーのレッカー車で 救助が可能かどうかの 状況判断のためだったのだと納得する。 40分あのまま、なのはとってもイタいけれど どうしようもない。 重機車が来るまでの時間を利用して、天使な先輩に事情をメールする。 あのFitの状況では、おそらくそのまま隣市の Fit購入店へ持ち込みになるだろうから、 大事な取材日に、本当に申し訳ないのだけれど、 午後から出社になるか、最悪 欠勤になる旨を送信。 先輩からは、まず怪我の有無を案じてくれ、 大変だけれど ヘコまないで、ふぁいと!だ と返事が来る。 次いで、こんなときに本当に申し訳ないけれども、と 今朝欲しかったデータを送るように言われ、 通勤バッグからPCを出そうとして、、、、ない??! Fitからバッグを持って来たつもりだったのに、手元にない。 大事なPCや書類、お財布等、何かあっては大変と、 急いでFitまで戻るが バッグはない。 いつ なくなったのか、またもや汗が噴き出る。 社外秘てんこもりな会社のPCを無くしては いかんっ!! 心臓が喉元にせりあがるやうで、倒れるんぢゃないかと思いながら、 自宅まで戻ると、無意識にちゃんと持って戻っていたらしく、 仕事部屋の会社電話の足元に置いてある。 (o_ _)oポテッ 落ち着いたつもりでいたが、やはりかなり動転しているらしい。 深呼吸、深呼吸。 気がつけば、既に9時近く。 外は灼けつくやうな暑さである。 日傘と 『 フェイスonワンピ 』 で重装備はしていたものの、 影ひとつない農道上で待機するのは しんどいので、 自宅の影に入り、「 重機車 」がヤって来るのを待つ。 上の少年もこちらにヤって来て、 ふたり並んで無言のまま、Fitを眺める。 私を責めるでなく、騒ぐでもなく、 不要な慰めを言うでなく、 彼が( 寄り添ってくれるように ) 自然体で無言であることが、ひたすら有難い。 ( 続 ) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[地域のこと。] カテゴリの最新記事
|
|