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私:経営危機に揺れた「東芝」から独立して約5カ月、半導体専業メーカーとして再出発した「東芝メモリ」。
調査会社IHSマークイットによると、「東芝メモリ」はNAND型メモリーで世界2位の18%のシェアを持つが、39%で首位の韓国サムスン電子は巨額の増産投資をしてきて、対抗して増産を急がないと一気に引き離されるとの危機感は強い。
「東芝メモリ」の主力の半導体「NAND(ナンド)型フラッシュメモリー」は、スマートフォンやメモリーカードからデータセンターへと用途が広がり、需要が急拡大していて、市場規模が年に4割ほどのペースで伸びるとの見方もあり、「東芝メモリ」は7月から北上市近くに新工場を建設中で、四日市工場(三重県四日市市)に続く第2の生産拠点にする計画。
2019年に完成し、20年にフラッシュメモリーの量産を始める予定で、新工場での働き手を集める採用活動が続き、成毛康雄社長は北上市の工場について「2、3棟目もあると思う」と述べ、早くも増設に意欲を示す。
A氏:ところが、北上地区では9月末時点で高卒者の求人が1010人分あったが、就職希望者は340人で、この地区では、約3社で高校生1人を奪い合う著しい「人手不足」の構図。
四日市工場から社員を転籍させるなどし、新工場の稼働に影響が生じないようにする考えだという。
私:だが、新製造棟で9月に容量の大きい最新鋭のNAND型メモリーの生産を始めた四日市工場にも、「人手不足」の影響は及んでいる。
需要拡大に応える新製造棟の建設工事を昨年2月から急ピッチで進めたが、半導体製造装置を納入した会社の40代の男性社員は「現場は経験の浅い作業員が多かった。よく事故が起きないものだと思った」と振り返る。
この男性によると、装置の搬入作業の際、作業員用に設けた通路に装置やその付属品が置かれて通路が塞がれることがあり、安全な作業にとって通路の確保は重要で、「東芝」時代の従来は数時間で通れるようになったのに、今回は1~2日通れず、遠回りすることもあったという。
安全の基本は現場の「整理・整頓」にはじまるが、それが「東芝」時代と比較すると現場は経験の浅い作業員の増加でおろそかになってきたんだね。 そこで、「東芝メモリ」は、「東芝」時代からの安全ルールを緩和し、搬入作業では最大8人のグループごとに専任の管理責任者を置くよう定めていたのを、東芝メモリは4月にルールを改め、最大8人のグループを複数束ねて管理する責任者を置けばよいと変えた。
四日市地区では、求職者1人あたりの求人件数を示す有効求人倍率が、今年に入って2倍近くに上がり、「東芝メモリ」はルールの見直しについて「『人手不足』の中で効率性を考えた、従来の基準が厳しすぎた」(広報)と説明し、安全面の問題はないとしているが、主力工場にも「人手不足」の影が忍び寄っているようだ。
A氏:「東芝メモリ」は技術流出を懸念する経産省の意向もくんで「日の丸半導体」にこだわり、国内生産を堅持する構えだが、「人手不足」が深刻化する日本で、成長を支える労働力を確保するのは容易ではない。
「日の丸半導体」メーカーの「東芝メモリ」が直面する課題を乗り越えられるかどうかは、日本経済を支えてきた製造業が国内でものづくりを続けていけるかを占う試金石の一つとなる。
私:高度経済成長時代の「人手不足」は、経済の成長期によるものだったが、現代の「人手不足」は少子化によるものだけに深刻だね。
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Last updated
2018.10.31 23:04:12
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