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私:喜田尚氏は、南部ソチで開かれた毎年内外の研究者や文化人、政治家が集まり、最終日にはプーチン大統領も登場する有識者フォーラムの「バルダイ・クラブ」討論会を取材。
最初の討論のテーマは「変わる世界と、国のアイデンティティー」で、パネリストの一人、演出家コンスタンチン・ボゴモロフ氏の発言が刺激的だったという。
同氏はドストエフスキーの「白痴」の主人公を小児性愛者として描くなど、挑発的な舞台で知られ、「私の演出はロシアでは全て認められるが、西側のプロデューサーには『君がその演出をやったら私はクビになる』と止められる」と欧州の自己規制を批判し、続けた。
また、同氏は「ナチスを経験した欧州は人間に憎むことを禁じた。愛することしか許さず、『寛容』は全体主義に姿を変えた。だが、人間には憎む権利があるはずだ」という。
矛先が向けられたのは、進歩的な価値を重んじ、差別表現を排する欧州エリートの「ポリティカル・コレクトネス(政治的正しさ)」で、壇上の他のパネリストからも似た批判が続いた。
A氏:喜田氏は昨年末から15年ぶりにロシアに住んでいるが、人々が「ロシアとは」を論じるとき必ず欧州が引き合いに出されるのは昔と同じだが、その距離感はずいぶん広がったという。
国際政治の場でくり返されるロシア批判に反発し、返す刀で語られる欧州批判には強い攻撃性がにじむという。
喜田氏に、問い合わせがあった記事は人権保護、法の支配を掲げ、47カ国が加盟する「欧州評議会」をめぐるもので、「ロシア」では、ソ連崩壊後何年もかけてやっと加盟を果たしたこの機関をめぐって、脱退論が頭をもたげている。
「ロシア」は、ウクライナへの介入で投票権を奪われ、反体制派や性的少数者への抑圧をめぐっても激しい批判を受けるからだ。
「バルダイ討論会」のコーディネーターで政治学者のフョードル・ルキャノフ氏は「ロシアが加盟したのは欧州の一部であろうとしたから。だが当時、同性愛を認めることは条件になかった」と話す。
私:「ロシア」が「欧州評議会」から脱退すれば、国内の人権侵害被害者への打撃は大きい。
「欧州評議会」のもとには「欧州人権裁判所」があり、その決定は加盟国に拘束力を持つ。
昨年の違反決定908件のうち「ロシア」からの訴えは293件で、99件で2番目のトルコを引き離す。
「ロシア」では、裁判所が最後の砦だった人々は行き場を失う。
「ポリティカル・コレクトネス」は今、欧米でも右翼勢力などの批判の的。
「バルダイ討論会」では会場の米国人女性が「批判が少数者の声を締め出すために利用されている」と訴えたが、壇上からの反応はなかったという。
ブログ「伝統的規範が支える民主主義 寛容さ失えば独裁者生む」で、とりあげたが、少数派への「寛容」や多様性の尊重は世界的に失われてきているようだね。
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Last updated
2018.11.05 22:11:57
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