秋桜
桜のはなびらが舞う 麗らかな午後色あせた想い出も握り締めてた小さな夢も木枯らしにさらわれそうになるあの日 あの春の日きみは わたしに微笑んでいたねなにも知らず なにを憂うことなく今を愛していると ただ嬉しそうに笑った別れの言葉が 褪せていくきみは 夢のまた夢 幻の欠片になった記憶ときみは枯れていく木の葉と同じよう 色褪せ 世界にかえっていくのだろうかきみの微笑んでいた春が過ぎてわたしの俯き悔やんだ夏が終わりいま 木枯らしに吹かれる木々を眺めるこれからの冬は寒いだろうか白い雨がさらさらと降り積もり枯れた想い出もきみも何もかも純白の衣に隠してしまうのだろうかふと立ち止まる 秋の小道足元に咲く きみの桜優しげな彩をまとい 麗らかに風に吹かれ可憐なその首をもたげ わたしに微笑むわたしの潤む瞳の奥をみつめるその姿はただ 嬉しそうに微笑んでいた+++++