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カテゴリ:お仕事
仕事に行くと電話がかかってきた。
「赤ちゃんの心音が聞こえないので、大きな病院に搬送します。」 ・・・・という内容だった。 私が勤める病院は(一応)周産期センターなので このような搬送は月に数件はある。 病院で調べたところ、赤ちゃんがお腹の中にいながら胎盤がはがれてしまう 「常位胎盤早期剥離」という状況で、赤ちゃんはすでに亡くなっていた。 このままだとお母さんは命の危険が迫ってくるので 一刻も早く手術をしなくてはならない。 すぐにオペ室に運ばれて緊急手術になった。 こういう状況は、もう何度も経験しているけれど 毎回、うまれてくる赤ちゃんが産声を上げることを切に祈る。 でも産声のない出産となった。 手術室でうまれてきた赤ちゃんは、 とても亡くなっているなんて思えないほどキレイなカワイイ子だった。 みるとお腹の中では苦しい状況じゃなかったんだな、ということがわかった。 赤ちゃんはきっと、お母さんの身に危険が迫っていることを 自分の持っている力を総動員してお母さんに教えたんだと思う。 よく考える。 毎日生きていることが奇跡だなんて思って生活できる人ってそんなにいない。 私も毎日そう思って生活してるわけではないし。 数億の中から勝ち抜いて ここに生まれて今まで在ることがこのうえない奇跡。 満塁ホームランを打ってインタビューを受ける人も 活躍が讃され報じられる人も もちろんスゴイことだけど(人並み以上の努力の結果ですからね) すべて奇跡の重なり合いの上に自分達は在るということを改めて感じた。 毎日当たり前に過ごせることはきっと ありがたいことなんだな、とも。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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