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テーマ:心の病(7246)
カテゴリ:病気のこと
起き出そうとするとき,A子にボソッと言った。
「オレ,仕事辞めたか…。このまま苦しみながら仕事場続けていくって思えば,それだけでもう憂鬱さね…。」 「一日,一日さ。」 A子はどのくらい理解してるのかな。 朝から,昨日の一件を教頭に報告した。 教頭も事情はだいたいわかっている。 「そうね。わかりました。」 4時間授業が詰まっていた。 5校時が空いていたので,正直,休みをもらって帰りたかった。 でも,写真撮影に付き合わないといけなかった。 終業時刻になると,さっさと職場を出た。 今日は2週間に一度の病院の日。 当然,何も知らない主治医はいつものように, 「どうですか?」 と聞いてきた。 私は,どう話そうかと思いながら, 「何もかも放り出したいですね。」 と言った。 「授業がうまくいってないんですか?」 「ま,うまくいってるとまでは言えないですが,授業は淡々と進めてるんですけど…。」 「何か,嫌なことがありましたか。」 「昨日,保護者から電話があってですね。…」 昨日の話を伝えた。 「それは,あなたはいい対応をしましたね。それがベストです。これ以上部活動の方でがんばる必要はありません。まずは,授業ですから。部活動のために働いているわけじゃないもん。そういうことの対応は校長に任せて正解です。」 「保護者の気持ちもわかるんですよね。」 「あなたはまだ治療中なんですから。他の同僚とまったく同じだけ働くっていうのは無理なんです。だから,仕事に優先順位をつけて上の方がキチッとできていればいいんです。まずは何と言っても授業ですよ。いいですか?」 「はい。」 でもな…授業もうまいとはとても言えない。 楽しかったときもあったのになぁ…。 「先生,数学って本当に面白いですね。」 生徒に言われたこともある。 何が違うの?って聞きたくなる。たぶん,自分の気持ちの持ちようが違うんだろうけど。 遅れてA子がやってきた。診察室で一通り話をして出てくると,私に言った。 「あれでよかったって。一番いい対応やったって。」 「オレも言われた。」 それでも,私の苦しい胸の内は変わらない…。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010/11/12 06:23:58 PM
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