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Who is “JIRO”?

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2012/03/25
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テーマ:囲碁全般(743)
カテゴリ:Let's iGO!
 Nくんとの記念すべき対局から1週間…。
 A子には2週間前から,
 「来週,再来週って,2週続けて囲碁大会に出るけん。」
と,伝えていた。幸い転勤もなかった。

 今日は朝日アマ囲碁名人戦長崎地区予選
 県内5地区から32名が県大会に臨む。長崎地区からは13名が県大会に出場できる。勝ち抜け条件は「3勝」。基本的に2敗で失格。3連勝なら申し分ないが,3勝1敗ならスイス方式の点数制での判定となる。

 県大会はトーナメントで,上位10名が入賞である。過去にその新聞記事は何度も読んだことがある。私はほとんど出たことがないので縁がなかったが,どうせ出るなら県大会まで進みたいものだ。でも,かなりの難関である。長崎地区出場者44名(だったと思う)。その中から13名。…う~ん。メンバーがメンバーだけに,勝ち抜くのは至難の業と覚悟した。
 顔ぶれは先週の大会と大きくは違わないが,ただ地区予選だから遠方からの人はいない。Nくんは別地区だ。
 エースくんやYさんは来ている。県代表クラスの中でも全国レベルのFさん,Mさん,私の先輩ではないYさんなど,本物の県代表クラスがずらりと顔を並べた。この辺に当たると,まず勝てない。でも実際に当たったら,開き直ってガンガン行くのみだ。
 一番厳しい山に入っているエースくんが寄ってきた。1,2回戦を戦う4人の中に横綱クラスのFさん,Yさんが入っている…。全国大会の常連だ。
 「また,大変なところに入ったね。」
 「はい。」
 「でも,そこでまた腕を磨くわけだ。」
 「はい。」
 「がんばって。」

 「はい。」
 エースくんは不敵に笑いながら答えた。

 くじで私は端のほうになった。近くにはMさん。もし勝ち進めたら,3回戦で当たりそう。4年前にテレビ局の囲碁大会の決勝で当たった相手だ。とても勝てそうにないが,あのときよりはマシな碁を打ちたい。

 1回戦。対局したことない人だった。何とか勝利。
 2回戦。近所の碁会に参加したとき,「2子置いてください。」と言われ,カチンときた相手。
 「あまり置いて打ったことがないものですから…。」
 正直,「何者だ??」と思った。会ったことがない。名前も知らない。県内のたいていの強豪とは面識がある。Mさんだってあいさつしてくれる。誰?この人。で,絶対に勝たないと…と思うあまり,肝心の所で間違えた。負けは負け…。しょんぼり
 「あぁ…,こんにちは。」
 今回はさすがに覚えている。握って,先番。ゴリゴリゴリと攻めまくって,大石を仕留めた…。相手の投了待ち…だったのに,またやってしまった。どう打っても勝ちだったのに,手数を読み間違えた。投了。まったく…情けない。ムカムカした。
 県大会に出るためには,もう負けられない。1勝1敗次は誰かな…。2連勝だったらMさんなんだろうけど,Mさんはまだ対局中。その相手の方もかなりの強豪だけど,どちらかが1勝1敗になる。この碁の負けたほうと当たるのかな。でも,待ち時間がかかりそう。そんなことを思っていると,世話係のIさんから,
 「西川さんはT先生と打ってください。」
 T先生はかつて参議院議員だった。碁もかなり強い。けど,この中では大関クラスかな。チャンスはある。初対戦だ。
 握って黒番。またしても大石を召し捕った。オレは殺し屋か??あっかんべーT先生は潔く投了。2勝1敗となった。
 結構進行が早いほうだったので,周りの碁を見て回った。
 エースくんが観戦していた。どうなってんのかな…。なに??びっくり
 エースくんはFさん,Yさんの横綱クラス2人をやっつけて早々と勝ち抜けを決めていた。…やるじゃん。
 「すごいね。やったじゃん。」
と声をかけると,
 「あはは…。」
 「県大会でも上位に喰い込まんばね。」
との言葉には…。
 「優勝したいです。」 …失礼しました。そうだよね。横綱に勝ったんだから,当然優勝を狙うよね。
 「オレはまだ勝ち抜けてないからなぁ。できればキミが優勝するところをナマで見たいね。」
 というわけで,横綱Fさん,Yさんも1敗で3回戦を打っている。Mさんも2回戦で負けて1敗。…ほう,これはまた波乱続きだね。次の相手がこの皆さんだったら,勝ち抜けはないかな。今回は3連敗だった世話役のIさん。
 「西川さんは,こちらの方とお願いします。」
 早く打っていたせいか,横綱の皆さんとは当たらずじまいだった。次の相手は名前はよく知っている強豪。この大会はとにかく県内の強豪が集まっている。初対戦。思い切り打つしかない。
 握って白番。地を稼いでコミに物を言わせる作戦。相手の模様の中で小さく生きてリード…のはず。あちらもお返しとばかりに白模様の中に打ち込んできた。
 殺したら間違いないけど,殺せるかな?
 一応目を取ってみたが…簡単に外につながった。
 あれ?こんなはずじゃなかったのに…これはマズい。 さらに黒地を荒らさないといけなくなった。
 少々強引に打ち込んでいく。死んだら負け。…とても生きそうにないな。でも,必死に手を探して…もともと黒地だったところで,でーっかい石同士がセキになった。これは再逆転だな。お互いに持ち時間がなくなってきた。終局に向けて,急いで地を確定させていく。そうしていると…。
 「あ,切れた。」
と,ギャラリーの声。あちらの時間が切れた。
 「数えても足りんよね。」
 「少しいいかと思っていました。」
 「これがセキになったらねぇ…。参った。」

ギャラリーからは,
 「こっちに打っておけば,黒の花見コウじゃなかったですか。」
 「そうそう。」
 「そうか。そうだったか…。」

 「白もそう来られると嫌でしたね。」
 かくして,何とか規定の3勝を確保したが…。
 「3勝が予定よりも多くなりそうなので,まだ代表決定できないんです。ちょっと待っててもらっていいですか。」
 「はい。わかりました。」
 横綱クラス…FさんとYさんが2勝1敗同士でぶつかった。どちらかが落ちる。どっちが落ちても波乱だ。この人たちが県大会に進めないなんて。
 オレなんかが残っていいの??
 Mさんも2勝1敗で4局目を打っている。さすがにこれはMさんが勝ちそうな雰囲気だ。
 自分の対局はとっくに終わっているのに,ずーっと観戦しているエースくん。
 「なんとか3勝したよ。でも,まだ県大会いけるかわからないんだって。」
と言うと,
 「点数的に大丈夫じゃないですか。」
ですと。一応,気にしててくれたのね。
 まぁ,あなたはスイス方式に慣れてるんでしょうけど。オレはなかなか点数が読めないのよ~。泣き笑い
 対戦表のほうでは幹事の皆さんがさかんに点数を計算している。3勝の人の点数を一人ずつ入念に確認している。そして…。
 「西川さん,当確です。おめでとうございます。」 
 エースくんの言う通り,3勝メンバーの中では点数が上の方だったらしい。
 「ありがとうございます。」
 うれしい反面,申し訳ないような…。
 「県大会の切符もらったよ。」
と,エースくんに言うと,
 「おめでとうございます。」
 「これでキミの優勝するところが見られる。」
大学を浪人することにしたエースくん。
 「今年はいろいろ大会に出るの?」
と訊くと,
 「この大会を最後にします。これが終わったら受験勉強に入ります。」
 「そうか。じゃ,なおさら優勝したいね。」
 「はい。」


 最後の碁が終局するまで,見守った。結局,3勝した人は全員勝ち抜けることになった。
 そして,横綱の一人Yさんが地区予選敗退となった。他の人の話では,たぶん初めてのことだろうとのことだった。
 県大会は2週間後
 平成24年度の始業式と入学式の間か。また,新たに抽選になるのかな??
 記念にぜひ,1つだけでも勝ちたいものだ。スマイル









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最終更新日  2012/04/01 10:38:09 PM
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