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カテゴリ:読書
村山由佳の「星々の舟」という本を読みました。
この作品は、各章がそれぞれ短編小説としても読める、連作集のようなつくりになっていて、 全体を通して、ひとつの家族のかたちを描くという構成になっています。 各章ごとに主人公が入れ替わるので、年代、立場、性別によって、家族に対してさまざまな思いがあったり、それぞれ個別に困難を抱えている様子が描かれていて、厚みがあり読み応えのあるものになっています。 読んでいて、実際の家族とはこういう複雑なものだよな、という気がしました。 作者自身があとがきに書いているように、戦争がひとつのテーマになっていますが、そのほかにも、現代的ないくつかの問題が盛られています。 ひとつの作品に、これだけ盛り込もうとすると、欲張りすぎてがっかりな結果になることがありますが、 この作品では、私は、消化不良は感じられず、どの分野もコンパクトながらよく取材され考えをまとめられているのではないかと思いました。 この人の作品を読むのは、たしか3作目だったと思います。 これまでものも、物語の前提としている意識が高いのを感じましたが、 今回も洞察力がするどく、心情の描写が細やかで、そして、これまでよりも、力強さを感じました。 かけがえのない人に自分の非を謝るということと、ゆるしを請うということは、同じなのか。 というようなことが書かれているところは、妥協を許さない強い生き方を感じました。 星々の舟(村山由佳) ______________________________________________________________________________ 昨日の晩ごはん ・恵方巻き&ほうれん草お浸し&麩としめじととろろ昆布のすまし汁 ・巻き寿司(かんぴょう、高野豆腐、鮭で作ったデンブ、錦糸卵、きゅうり) ・塩イワシ あとで、このアタマとヒイラギの葉っぱをベランダの物干し竿に吊るしました。 食べた後、玄関の方にいって簡単に豆まきをし、数粒だけですが味わって豆を食べました。 行事ごとは面倒だけど、そのままなぞってやると、それなりにバランスよくちゃんとしたものを摂るようになっているんだなぁ、と改めて思いました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007.02.05 21:07:26
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