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カテゴリ:読書
「疫病神」(黒川博行)を読みました。
身近なところがたくさん出て来ます。 実在の場所と架空の地名を巧みに入り混ぜてあり、大阪特にその南部と和歌山あたりが分かる人にとっては、とてもリアルでよく考えられた小説であることが分かるはず。 実際、車で大阪の中心部から関空や和歌山方面へ向かうと、延々と巨大な掃き溜めのような光景が続きます。 ウチから叔母の家に遊びに行くときなど、車の中でいつも、なんじゃこれぇ~無法地帯か…と思います。 テレビなんかで「大阪」と言ってるのは、少なくとも私にとっては日常まったく縁のないほんの狭い地域と虚構の世界のことにすぎません。 リアルに書かれてあるだけに、ちょっとだけ惜しかったのは、言葉です。 作者の経歴からか、「だから」という意味のところで「そやし」という言葉が出て来て気になってしまいました。ま、たいしたことじゃないけど。 産廃は分かりやすいモデルケースの一つであって、ここで描かれたような腐敗は、大なり小なりどの世界にもあるのだろうと、世間知らずの私もこれを読んで想像することができました。 テレビのニュースを見ても、これを読んだ後だと、ああこういうことなんだろうなぁと、想像します。 今は昔に比べて、体裁を整えていればどういう会社か判断しにくいだけに、案外。。 それにしても、大阪にはもはや都市計画といえるものはなく、大阪市内より南は、今や巨大な僻地と化していて、大部分の人がここに住んで不便な思いをしています。 そしてその中でさらに南北の格差がつき、南の方はスーパーもどんどん撤退し、医療危機が深刻になり…という状況です。 もったいない、もったいない。。 久しぶりにこの手の本を読んだからか、母がひと騒動をやらかしてくれました。昨夜真剣な顔で、 「こないいだから○○町の住宅地を歩いとったら、ある家の庭に小さいジュータンみたいなもんがクネッとなって、ペシャンとあるねん。それがどうも犬みたいに見えるんやけど、全然動かへんし、どう見ても死んで小さく縮んで干からびたみたいに見えるねん。どうしよ」 えーウソまさかぁ~。周りの家の人が気づかへんわけないやん。 でももしも!!ってことがあるやろ。もしも…どうしよ~~。 …どうしよって? 警察に言わんでいいんかな♪言った方がよくない?あっ!!今から家に電気ついてるか見に行こ。(父に)車出して! うっそー。と思ってる間に家の中私ひとり。 しばらくして玄関がけたたましくなりご帰還。 あのね、ワタクシとしたことが珍しくしくじりました。家に明かりが点いとった。ほいで、犬が立っとった! 家じゅうで、おなかよじれるほど笑いました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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