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カテゴリ:読書
「センチメンタル・シカゴ」(サラ・パレツキー)を読みました。
V・Iシリーズ3作目。読む順番メチャクチャです。 このシリーズでヴィクは最初きまって親戚のトラブルに巻き込まれます。 身内に頼まれ調査を始めるうち、危険な目にあったり誰かが死んだりと読者を楽しませる展開になります。 今回も、強烈なキャラクターの「おば」という人が登場。 シリーズのこの後の作品にも「おば」が出てくるよな。。 ま、確かに私も20年ほど会わないおじやおばが何人もいます、両親は先日も顔を合わせてきたけど。私はあの人たちの頭の中で身内の数に入ってないと思う。私も思い出すことは全然ないし。 そういう人から突然「助けて」と連絡があったら、めっちゃイヤだし、ただならぬことが起こってると分かったら興味津々になるかも。 もう一つの特徴は、女探偵はいつも、巨額の不正な利益を得ている大きな組織に、立ち向かうことになるということ。 今回立ち向かう相手は、カトリックの秘密組織(もちろん架空のもの)。 読んでて、ダヴィンチ・コードをふと思い出しました。全然違うけど。 宗教団体とお金。証券会社の乗っ取り。 やー、世間知らずの私には、どれほど現実味のある話なのかそうでないのか、さっぱり分かりません。 けれども、ちょっと何かに置き換えてみると、これが結構もうすでに似たようなことがあるような気がせんでもないです。 ま、シューキョーっていうのはタブーなので、具体的なことは避けます。 そういう本筋のところとは別に、今回のテーマの一つとして、ヴィクの自立性というものがあったと思います。 恋人ロジャーと新聞記者である友人のマリは、対照的に描かれています。 ロジャーが特別強い依存を求めているわけではないし、むしろこれが普通で、そもそも女でからだを張る探偵仕事をする方が異常なのであって、このようなタフな人でないとマリとのようなカラッとした友情は成り立たないのだろうと思います。ヴィクのような人間ばかりだったら、この世の中うまくいかないでしょう。 だからこそほとんどの凡人は、こーゆー小説を読んでスカッとするわけで。私なんかもそのクチです。 あと、今回改めて思ったのですが、ヴィクのかっこよさは、相手を腕力でやっつけ拳銃をぶっ放し絶体絶命のピンチを逃げ切るフットワークや抜群の行動力にあるわけですが、頭のよさもかっこよさの重要なポイントだなと思いました。 頭のいい人にもいろいろあるけど、とにかく努力を重ねてきた人と、物事の考え方の基本が分かっている本当に頭のいい人がいるように思います。 ヴィクは相手によって話し方を硬軟使い分けたり、求められたときに即座にその事柄に関する説明をすることができたり、切迫した状況でも相手を思いやる言葉をすぐ掛けられるという能力がある人として描かれていて、ホンマモンの頭のいい人だな、かっこいいな~と思います。 全くの余談ですが、今見てもらってる皮膚科の先生がちょうどこんな感じで、読んでて何度も診察室での会話を思い出して、あ~私は自分のことにイッパイイッパイになってて、さぞかしうすのろに見えるだろうなぁ~なんて溜息が出ました。 マッチョはムリにしても、こーゆーかっこよさは憧れるなぁ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008.08.19 00:02:48
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