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カテゴリ:読書
「絞首台までご一緒に」(ピーター・ラヴゼイ)を読みました。
天王寺の病院のついでに寄ったブックオフで、ただ1冊棚にあったラヴゼイの本。 部長刑事クリッブとその部下サッカレイのシリーズの第7作。 クリッブは自信満々でアクが強いものの、洞察力も推理力も鋭く容疑者を尋問させても素晴らしい働きをするのですが、私はやっぱり「最後の刑事」などのピーター・ダイヤモンド刑事の方が好きだなぁと思いました。 どちらも協調性に欠け警察という組織で生きるのがヘタなのだけど、ダイヤモンドには感情移入できるけどクリッブはダメ。 ダイヤモンドがヒーローなのに対しクリッブは事件を解決しても主役にはなりません。 今回は、ハリエットという女学生を中心に話が進んでいきますが、シリーズのほかの話ではどうなんだろう? ま、でももしラヴゼイの作品として最初にこの本に出合ってたら、ダイヤモンドシリーズまで行き着かなかっただろうなぁ。 こんな風に書くとさも退屈に感じながら読んだかのようですがそうでもなく、昨晩も2時近くまでかけて一気に読みきってしまいました。 時代は1889年。場所はテムズ川。実在する小説「ボートの三人男」をモチーフにしているのが大きな特徴。 今大流行しているあの小説に描かれているとおりにテムズ川を下っていこう、という3人組が出てきます。 ちなみに日本でいえば明治22年。翌年にようやく森鴎外の舞姫が出て、1906年に夏目漱石の吾輩は猫であるという時代。 移動は馬車やボート・船、電話機が最新機器。女性はコルセット。 ちょっとした時代小説を読む気分です。 現代と比べると物事がゆったりと進み、今の時代になくしてしまった優雅さやのどかさを感じることが出来ます。 そして今回は、「訳者あとがき」がとても読み応えがありました。 これを読んで初めてこの作品を理解できたという部分がいくつもあります。 あまり詳しくは書きませんが、単に「ボートの三人男」を真似て旅をする男たちを描いているだけでなく、ほかにいくつもの点でこの実在する小説になぞって描かれているものや構成があるとのこと。知れば知るほど深く楽しめるという仕掛けらしい。 また、この作品に登場するテムズ川流域のパブやホテルなどは今も営業を続けているとか、馬車が自動車に変わるなど動力は変わっても基本的に景観は保ち続けているという記述を読むと、行ったこともないのに(今後も行くことはなさそうだし)、うれしくなってしまいました。 そのあとがきに、「ボートの三人男」の原作が無料でダウンロードできるとあったので載せておきます。日本でいう青空文庫みたいなもの? *The Online Books Page ←トップ *Three Men in a Boat もー、「そこらの雑草取り」になってきた。。 「野葡萄」だって!ずっと何年も狙ってたんだって!!最近は散歩にビニール袋とはさみもっていく母。。 かわいいけどさ。。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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