|
カテゴリ:読書
「自負と偏見」(ジェーン・オースティン/中野好夫訳)を読みました。
ずっと読みたかったのですが、それだけに何となく敷居が高くなり後回しになっていました。こんなに面白いならもっと早く読めばよかった。 昨晩は寝る間際になって、しゃっくりが止まらなくなり、寝れないので仕方なくヒクッヒクッと最後まで読んでしまいました。 はじめのうちは、たいした事件が起こるわけでもなく、家族や親戚や近所の人どうしが、些細なことをああでもないこうでもないとしゃべり合う、その会話がだらだら続くのが退屈で、イライラしました。 ずっとこれにつき合わされるのか?と思ったところで、こういう気持ちになるのは久しぶりだなぁという気がしました。う~ん、夏目漱石の小説みたい。。高3の通学電車のお供はいつも夏目漱石でしたが、別に好きだったからではなくて、この時機を逃したら一生読まないような気がして意地になって読んでいただけ。全部同じような気がしていました。よさが分かったのは、ずい分後になってから。 そんなイライラも、登場人物それぞれの気質をうまく描き分けているのが分かってくるにつれて解消し、狭い世間での日常が延々と続くのに、なぜかハラハラさせられたり次の展開が待ち遠しくなったりで、どんどんのめりこんでいきました。 原題は「Pride and Prejudice」で、日本タイトルはこの訳者のもの以外は「高慢と偏見」となっています。 私としては、高慢というと、他者からの主観が入る言葉なので、ここは自負の方が、偏見と対を成していて、しかもprideのようにその現れ方次第で良くも悪くもなり得るという広い意味合いがあって、いいような気がします。 高慢としてしまうと、このストーリーの限られた箇所にだけスポットが当てられてしまうような気がします。 prideは確かに欠点として障害になったけれども、責任感につながったり、先進的な考え方にも繋がっていて、それが時代を超えて読まれている要因になっていると思います。 つまんない世俗に触れて少々やな気持ちになってたので、楽しい小説を読んで、幸せな気持ちになりました。 しゃっくりも止まって、昨日はよう寝れた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009.05.26 10:02:12
コメント(0) | コメントを書く |