|
カテゴリ:読書
「食べ物を変えれば脳が変わる」(生田哲)を読みました。もう小説がなくなってもた。この人の本は2冊目。
今回は、頭にいいものを最適な量摂ると脳が最適なコンディションになって、記憶力がよくなったりすばやく判断できるようになったり、気分が明るく穏やかになったりする、というようなことが書かれています。 この「最適な量」というのが、分子栄養学とか矯正分子栄養学とかいわれる考え方ではないかと思います。 その人のからだにとって、最適な量の栄養を摂ることによって、本来の正常な状態へと導くことが出来る、という考え方は、すべてに万能ではないかもしれませんが、ある程度までの体調維持には充分有効だし、不必要なクスリを減らすことが出来るのではないかと、私はしばらく前から興味を持っています。 この本でも著者は、残念ながらすでに普段から充分に栄養を摂っている人は、さらにここで薦めらている栄養をたくさん摂ったからといって、あまり効果は上がらないが、普段栄養が貧弱な食事をしている人がこのような栄養をきちんと摂れば素晴らしい効果がある、というようなことを述べています。 また、人によって必要な栄養の量はかなり違い、ビタミンCでは要求量が10倍ほど違う場合もあるそうです。 脳や神経に関する話題が中心なので、少し前に読んだ「新脳の探検(上)」での神経細胞や(神経)伝達物質についての知識が理解に役立ちました。 特に、59ページの神経細胞の膜の大きな模式図を見た時は、な~るほどっ!と感嘆しました。 「頭がやわらかい」というのは単なる比喩ではない、というのです。 頭の中にはものすごい量の神経細胞がそれぞれたくさん網目状に繋がっていて、情報が電気信号で行き交っていますが、神経細胞のつなぎ目を通る時はそのままでは届かないので、電気信号を伝達物質に変え、物質を受け渡しして情報をやり取りします。 その受け渡しするところ(シナプス)で情報伝達がスムースに行かないと、いろいろ不都合が起こるので、脳の活動が健やかであるためには、放出された伝達物質を間違いなくその受容体がキャッチ出来る必要があります。 ピョンピョンと飛び出すものをヨッといろんな角度でうまいことキャッチするために、受容体の土台である神経細胞の膜が柔らかいことが大切になってきます。 神経細胞の膜は、リン脂質とその下にばねのように土台に脂肪酸がついている構造になっているのですが、この脂肪酸の中身が、飽和脂肪酸が多くなると硬くなり、オメガ6やオメガ3の不飽和脂肪酸が多くなるほど柔らかくなる、ということです。 書き出すとキリがないのでやめますが…、やわらかアタマには不飽和脂肪酸の中でも特にオメガ3を摂るべしというデータがたっぷりです。 あぶらについては、散々前に書いているのであまり書きませんが、アトピーが悪くなって医者にこういうことを言われて家族で取り組んだ時は、それで治るかのように思ったものですが、元々私は特に揚げ物が好きなわけでも野菜嫌いでもお菓子好きでもなく、ファストフード店には注文の仕方も分からないほど久しく行っていない人間。 それを、ただでさえ体調が悪く虚弱になったところに脂肪を減らしたり野菜中心にこだわって、ますますギスギスになってしまった気が、…まあかなり前からしてました。それでなるべくゆるゆるにとか言ってはいましたが、体験に頼るばかりで、どうして「粗食」を礼賛して元気でいられる人がいるのに、自分はこんなにまじめに取り組んでもダメなんだろう、という思いはありました。 この本を読んで、脳とか神経とか精神疾患に関心のある人にとって有益な情報が中心なのですが、理想的な栄養の摂り方とかその中の脂肪の割合やその種類といった事柄について、理由もきちんと書かれているのを読んで、これまでのことも含めて、すごく納得できました。 まぁ、ここまでこんがらがった人生にならなければ、こんなにこーゆーことに関心を持たなかっただろうけれども。 出来れば、取り返しがつかなくなるほどいろいろ経験してしまう前に、分かりたかったな。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009.05.29 14:30:31
コメント(0) | コメントを書く |