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カテゴリ:読書
「ながい眠り」(ヒラリー・ウォー)を読みました。
いわゆる警察物のミステリ。古い作品です。 よく読む、ラヴゼイの描くダイヤモンド刑事は、コンピューターを駆使して情報を集めたり整理して捜査することを嫌う「最後の刑事」として、今の時代と戦ってるわけですが、 この作品の時代は、なにしろ容疑者を絞り込むためのリストを送ってもらうにも、リストが多く嵩張るからと書留にするような時代なので、そんな葛藤もありません。 ああだろうか、こうだろうかとたくさんの推理をして、その可能性を地道に捜査し、次々につぶしていく日々。 読んでいる方も、いい加減にしてくれないかなぁという気になってきます。 でも、こんなにもありとあらゆることを考えてやってもダメなんだから、仕方ないですよ、という段になっても、主人公のフェローズ署長はしぶとく諦めない。 最後まで、ムムムムと粘り続けて、最後の最後に勝つ(容疑者の供述のアラに気づく)。 カッチョイイ! こうに違いない!とフェローズが言うたびに、読んでるこっちも、そうかそうに違いない!と思うのに何度も裏切られ、もしやこうでは?と自分で考えた推理も見事に空振りとなり。 そして示された正解は、考えてもみなかったもので、でもこじつけではなく納得。 フーダニットや時間のトリックがしっかりしていて、最初から周到に用意された結末に向けて作られたものであることがよく分かります。 ま、でも、日本人とっては「知らんがな」としか言いようがないけど。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009.06.19 15:37:13
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