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カテゴリ:読書
「フーコーの振り子」(ウンベルト・エーコ)を、やっとこさ読みました。
古本屋でなんかないかなーと見て回っていた時に、聞いたことのあるタイトルを見つけ、上下巻揃っていたから買って読み出したら、えらいものに巻き込まれてしまいました。 テンプル騎士団、薔薇十字、カバラぐらいはなんとかその言葉だけでも聞いたことはあるものの、過去の亡霊のようなオカルトの嵐で、頭がパニック。 どこまでが史実に基づいたものなのか、この本が何について書かれているものなのか(果たして、「誰々は実はテンプル騎士団であった」というようなことがメインなのか?)が、なかなか分かってこなくて、読むのが苦痛に。 いつもなら、寝るのも惜しんで読み進めたくなるのですが、今回は2、3ページずつチビチビチリと味わいました。 後ろの方まで行ってようやく面白くなってくるものの、どうなってるの?と混乱し、また最初に戻って、ああ~となる、迷路のような構成で、最終的には面白い本でしたが、何度も振り落とされそうになりました。 読みながら「こういう世界のこと、知らないからなあ~」と思ったとき、ああニッポンはオリエントの端っこなんだなあと、しみじみ思いました。 結局、この本には「ミイラ取りがミイラになる」的な世界が描かれているように思ったのですが、どうなんだろう、まったく自信がありません。 オカルトに夢中になる人たちを嘲笑いながら、いつしか同じ穴のむじなになっていく3人の狂気。 特に「私(カゾボン)」の語りを追っていく読み手としては、彼ら3人の話していることのどこまでが正常でどこから常軌を逸しているのかの見極めに戸惑い、混乱させられました。 途中までは、お手軽に楽しむことのできたダヴィンチ・コードの方が面白いや~んと思いましたが、そもそもこの小説の作者は、現代にあふれているその手のものを、茶化しているような気もしました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010.03.03 18:00:38
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