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カテゴリ:読書
「豚は太るか死ぬしかない」(ウォーレン・マーフィ)を読みました。
最高、おかしすぎます。 最初っから最後まで、全編おちゃらけ。 ふざけてふざけて、事件の謎解きなんて付録みたいなもん。というか、ミステリーのスジ自体は結構古典的でシンプルです。 保険会社の調査員の仕事を気が向いたときだけやる主人公トレーシーと、日系人の恋人との会話がおかしすぎて、待合室で読めんちゅうねん、読んでもたけど。 トレーシーは朝から晩まで酒漬けで皮肉屋、チコは小さいのに大食漢で頭が切れるという二人が、事件を解決せざるを得ない状況になるという設定。 読み始めは、コリャ面白い!と、つい付箋をはっつけていましたが、4ページほど進んだところでギブアップしました。面白いところだらけだから。 たとえば。 ・概して、小男は恐怖による支配を好む。 ・「おれの人生が大きな宝石だとすれば、業界というのは芥子粒でしかない。…」 ・「…だれのおかげで、カケゾン保険会社が何百万ドルという損失を免れているかをお忘れなく」「カケゾンじゃない、ギャリスンだ」 とまあこんな調子。 原文で読んでるわけじゃないのに、雰囲気がうまく伝わる翻訳もよいです。 ギャリスンに掛けた言葉をカケゾンとするなんて、すごいなあ。 それから、作者の日本や日本人の描き方も、なかなかするどく、笑えます。 「激動する世界における…」という言葉が出てくるたび、笑ってしまいました。 訳者のあとがきによると、作者の奥さんが日本人なんだそうで、日本をことさら持ち上げるでもなくバカにするでもない、そのさじ加減が絶妙だと思いました。 この本はトレース&チコのシリーズの3作目だそうで、このシリーズ、また見つけたら読みたいです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010.05.20 23:24:30
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