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カテゴリ:読書
間の悪いことに暑いさなか風邪を引き、自分の体が熱いのか周りの空気が熱いのか分からぬ有様。
気管支の方までやられちまい、オッサンのような咳をしながら、ダラダラ本を読むばかりなり~。 昨日読んだのは、「まほろ駅前多田便利軒」(三浦しをん)。 この人の本は前から読んでみたいと思っていました。ホントは「風が強く吹いている」と「三四郎はそれから門を出た」を読みたいのですが、母がこれを買ってきたので。 この人は小説を書くのがうまい。テダレという言葉が浮かびました。 この作品は軽くて、何気なしに手にとって暇つぶしに読むのに最適です。 これを読み始めたために何も手に付かなくなる、という種類のものではありません。 そういう小説を、うまく書いてみせることが出来る人。優秀です。お金になります。しかも、名前から想像していたよりも若い。 そういう、ちょっとうがった見方をしてしまうのは、少しサービス過剰であるところにいやらしさを感じてしまうからなのかも。 ちょっと道からそれてしまった人たちのああだこうだを描き、華々しく成功する人生だけが幸せではない、思ったところから外れてしまってもみんなそこからそれなりの人生を生きて幸せになることが出来る、というようなことが書かれています。 そのため離婚とか失業とか転職とか貧乏とかヤンキーとかが描かれているのですが、その中にほろっとさせるものが挟み込まれていて、そのバランスが絶妙です。 ただそのように読者をくすぐろうそするあまり、チラッとやりすぎが見えてしまい、こちらとしては入り込み損ねて、「この作者はしたたかだなあ、たくましいなあ」という感想を抱いてしまいました。 次はぜひ、もうちょっと本気の作品を読んでみたいです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010.08.31 09:45:08
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