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カテゴリ:読書
「殿下と七つの死体」(ピーター・ラヴゼイ)を読みました。
以前この日記のコメントで教えていただいた、バーティ殿下シリーズの2作目です。 ずっと探してたんですが、ようやく古本でみつけました。 大邸宅で1週間かけて行われる狩猟パーティのあいだに、毎日一人ずつ招待客が殺されていき、その謎解きに、英国皇太子アルバート・エドワード(バーティ)が挑む、という設定。 やんごとなき身分なので事件を公にしたくないからと、予定通り1週間招待客に留まってもらい、一種の密室に近い状況になります。 解説を見ると、このお話しはアガサ・クリスティのある作品のパロディとなっているとのことで、そう言われると、なるほど確かに閉鎖的な状況の中で連続殺人が起こる、「そして誰もいなくなった」と通じるところがあります。 また、昔から伝わる子供の歌がモチーフとして使われていて、それはどうやらマザーグースの中にあるもののようです。 19世紀のイギリスの貴族の暮らしぶりが描かれていて、スケールが大きく優雅で面白いです。 こういう世界に生きることは窮屈で息苦しく、鬱屈とした気分になりがちなのではと想像していましたが、主人公のバーティ殿下は快活でちょっと間抜けな面もあって、魅力的な人物です。 周りの人の振る舞いも、殿下の突飛で的外れな推理に、シラーっと冷たくあしらったりピリッと皮肉を言ったりと、ユーモアがあります。 最後の方で殿下は真相にたどり着き、読者に向かって、さあもう分かっただろうか、ここで今すぐ真犯人の名を挙げられるかと聞くのですが、私は皆目分からず。 最後に種明かしがされても、んなもん分かるわけないや~んと思いました。 ラヴゼイのわりには、肝心のスジがイマイチでした。 ミステリー小説としてというより、ほわっと楽しい気分になりたいときに読むのにふさわしい小説だと思います。 ところで、先日新聞でノーベル経済学賞の受賞者の名前を見て驚きました。 ピーター・ダイヤモンドって…。あの怒りっぽいブチュッと太ったダイヤモンド刑事?なわけないか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010.10.21 22:57:14
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