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カテゴリ:読書
「青いバラ」(最相葉月)をやっと読み終えました。
私はバラには全然詳しくありません。 ただきれいだなと思うだけ。 赤いのが咲けばやっぱりバラは赤だなと思うし、淡いピンクが咲けばなんとはかなげでかわいいんだろうと思います。 何という名前のバラだとか、どこの原産の親を掛け合わせて出来たものだとか、最初に作ったのはどこの国の誰だとか、そんなことな~んにも知りません。だから、バラをテーマにこんなに幅広く深い話が展開されていくことに、驚きました。 ギリシャ・ローマ神話から、遺伝子組み換えを行うバイオテクノロジーの世界、日本の明治時代からの園芸の歴史…。 どれも非常に事細かく、文献の資料から専門家への取材など、恐ろしく膨大な事実関係とそこからの著者の推量とが果てしなく続きます。 とにかく、どれもバラに関係があるとはいえ、幅広い分野の細かいことが、たくさん書いてあり、この話はいったい何に繋がるのか?バラとどう関係があるのか?と思いながら読み進めるのは、はっきりいって苦行に思えました。 膨大な資料を調べたのはよく分かるけど、それらをよく咀嚼してからいいたいことを分かりやすく簡潔に書いたほうがいいのではないかと思いました。 著者は、「青いバラが出来ると聞いて、違和感を覚えた」と何度もいうのですが、その違和感とは結局何なのか、はっきりとは書きません。 遺伝子を操作することによって青いバラを生み出そうとすることについて、あえて立場を明確にしないようにしています。 それはそれで構わないと思いますが、何度も「違和感を覚えた」と書いてあるので、読み手としてはムズムズとするのです。 結局あなたの立場はどうなの?と思うように仕向けてあるのに、そこは、そう単純じゃないのよ、いろんな立場があることが私には分かるのであえて言わないでおきます、というようなあやふやな感じで、読み終えてもどうもすっきりしません。 立場を明確にしないならしないで、もうちょっとスキッとした書き方があるのではないかと思いました。 とはいえ、興味深い事柄も、たくさんありました。 まず、こんなにもバラに情熱を注ぎ人生をかけて生きた人がいたのかと、驚きました。 普段何気なく、近所のスーパーや商店街の店先で色とりどりの花を目にしますが、たくさんの人の研究や競争や努力があって今があるのだと知ることが出来ました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011.02.25 11:10:20
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