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カテゴリ:読書
「封印された数字」(ジョン・ダニング)を読みました。
またも、我慢大会のような、修行のような読書でした。 この作者の名前を背表紙に見つけてすぐ、古書店主ジェーンウェイのシリーズ物だと早合点してしまった私が悪いのだけど、それにしても同じ人物が書いたとは思えないくらいヘタっぴで参りました。 「死の蔵書」で成功する前に、第1作として書かれた小説です。 ちなみに、あともう1冊、ジェーンウェイ以前の小説が手元にあります…。さすがに、続けて読む気力は出ません。 内容は、催眠術と、インディー・ジョーンズのような冒険を足したようなお話。 作者は一時、催眠術に傾倒していたそうです。 私はどうも催眠術って、興味湧かないなあ。 ハリウッド映画によく出てくるような、西部の山中の洞窟に金がたくさんあるっていうのもなあ。 そういうのが好きな人には、もっと楽しめるのかもしれません。 とか言いながらも、昨日の晩は日付が変わるのも気づかず読みふけってしまったけど。 この本の一番の読みどころは、本編ではなく、序文です。 序文というには、ちと長いだろうというカンジですが、この部分は「死の蔵書」シリーズで成功してから改めて書かれたものです。 小説家として歩み始めるまでのことが書かれています。 といっても、経歴や技術的なことよりも、内面的なことがメインです。 1冊の小説を書き上げるまでの苦しみや挫折、出版社へ送った売り込みの手紙にエージェントが返事をくれたときからの奮起、1冊2冊と書き上げたものが返品の山となっても本を書き続けて少しずつ売れるようになってきたこと…。 小説を書くこと自体は、肉体を駆使するわけでなく、楽な作業にも思えますが、自分のこれまでの経験を元に文字を書き連ねて言葉を紡ぎ物語を作り出して世に送り出すことは、決して楽なことではなく、血のにじむような苦しさがあるのだと分かりました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011.03.03 14:32:55
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