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のんびり幸兵衛夢日記

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2011.04.27
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カテゴリ:読書
「チャップリン自伝(下・栄光の日々)」を読みました。
上巻を読んでから1年近くして、思いがけず下巻に出合えました。もちろん古本で。
この本を読まずしては死ねない、読むべき本に出合えた、そんな気持ちになる本です。
一度読んだ本を二度三度と読むことはめったにありませんが、この本は今後折に触れ読み直したいです。

上巻では子供時代の体験から、喜劇の創作、トランプの誕生、そしてアメリカに渡り、映画を作り始めるところなどが描かれていました。
下巻ではさらに、アメリカで大成功した後の、多くの著名人との交流や、日本で五・一五事件に巻き込まれそうになるなどの旅先での出来事や、裁判沙汰や、アメリカを追われる身となる経緯などが、語られています。

全編すごい人が次々に出てきて、お腹いっぱい。私には、どれだけすごいのか分からない人もたくさんいて、あとで調べてみて、な~るほど~と思うことがいっぱい。
よくこんなにたくさんのことが憶えていられるなと驚くとともに、改めて上巻で語られている少年時代の数々のエピソードについてもその記憶力に驚嘆しました。

さらに、しだいに喜劇の映画の構成・構造というものを考えるようになってきたことや、ユーモアについて、喜劇の中の情緒(ペーソス?)についての考えが述べられているところも、とても興味深かったです。
日本の歌舞伎にはアイロニーがある、ということを言っているのも面白かったです。
歌舞伎の型は、堅苦しくする制約ではなく、型があるからこそその中でかえって自由に俳優が表現できる、というようなことも言っていました。

ユーモアについては、それは一見正常に見える行為の中に見出されるきわめて微妙なずれ、と表現しています。
「ユーモアを通し、一見合理的なものの中に非合理を見、重要に見えるものの中にとるに足らぬものを見て取る。ユーモアはまた人間の生存意識を高め、健全な精神を支える。ユーモアがあればこそ、人生の有為転変も比較的軽く乗り切れるのだ。…」

チャップリンの驚くべき記憶力や、濃い人生を生きたバイタリティも、ユーモアの精神が常に支えとなっていたからではないか、という気がしました。
ただ無感動に多くの著名人に会うのでは、記憶にあまり残りませんが、人に会ったり何かを体験すると強く心が動く、そういう情の部分が強い人だったから、たくさんの出会いや出来事が記憶に刻み込まれ、そこからたくさんのものが創造されたのではないかと。

苦しみや悲しみもたくさん味わった人生だったようですが、それでもこうやって長く生きて、自伝を書くことができたというのは、人生の勝利だと思います。
後年に記録が残る、ということを考えると、映像の世界はまだまだ歴史が浅いのだと改めて気づかされました。
私はまだ3Dの映画を見たことがないのですが、別に見たいとも思わない、と思っている今の気持ちって、サイレントの時代からトーキーが出始めた頃の戸惑いと同じなのかなあ。。自分ではそうは思えないんだけど、そういう気持ちがおかしく感じられる時代に、なっていくのかなあ~。





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最終更新日  2011.04.27 23:59:02
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