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のんびり幸兵衛夢日記

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2011.05.27
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カテゴリ:読書
「自閉症だったわたしへ(2)」(ドナ・ウィリアムズ)を読みました。

非常にすぐれた文章を書く力があります。
少々冗長なところはあるものの、豊かな表現力を持ち、深い理解力や洞察力があり、論理的な思考力を持ち、それを説明する力があります。
だからこそ、どうして?と疑問に思うような、ごく当たり前のことが、長年分からないままでいることに、驚きました。

たとえば心理学の先生に、ものには神経が通っていないから心はないのだ、何も感じないのだと教えられ、ショックを受けて、そして初めて自分が一人でいることに孤独を感じるとか。
鏡に手を当てて「つめたい」と感じ、次に自らの手を合わせて「あたたかい!」と感じて、鏡の中の人の存在と自分との違いを理解する。
また、あるとき突然、自分の足など身体の内側からの感覚(触る手の方の感覚ではなく、触られる身としての感覚)を感じ、全身の自分の体を感じて、わたしはこんなに小さかったのかと驚く。など。

読んでいるこちらが、ええっ!と驚かされることばかりです。
私にとっては生まれた時から当たり前すぎて、改めて考えてみたこともなかったようなことに、大人になってから雷に打たれたように気づく様子を読んでいると、これはやはり脳の構造が違っているということであり、そのように通常とは異なった発達過程が問題なのだと気づかされます。

自閉症に関わりがなくても、たくさんの学ぶべき事柄が書かれており、前作に劣らず非常に興味深い内容でした。
この作者のような自閉症の人の感覚というのは、普通は小さい頃にスッと通り過ぎてしまうところを、大人になるまでこどもの状態のまま保ち続け、論理的な思考や理解力などがついた大人になってから、やっとその発達過程にたどり着くことになるため、大きなショックを受けるのではないかと思います。
その様子を読んでいると、チャップリンがダグ・フェアバンクスのことを、大人になってもこどもの心を忘れない人で、そういう絶対的な善の部分が誰からも好かれていた、というようなことを書いていたのを思い出しました。
このような性質の人は、理屈抜きで感覚的に人を惹きつけるのではないかと思います。

この作品の中には、私に共通することも、書かれていました。
そのひとつは、状況は大きく違っていても、同じような思いを抱いていること。
たとえば、困難な状況が続くことを、どんどん落ちていくとか、「ゼロよりさらに下」と表現しています。私も、穴を掘っても掘ってもまだその下があり、いつまでも底が見えないと感じてきました。
また、「自閉症による症状がわたしなのではない」と太字で書いてあるところ。私もアトピーが酷くなって長年生活すること事態が難事業のようになっても、それが私の本来の性質ではないし、私の内面を大きく変えるものでもない、アトピーの人などと括って欲しくないという気持ちが強くあります。
やっぱり同じような思いになるのだなあと思いました。

また、脳は身体のさまざまな機能をつかさどっているのだから、多くの障害や症状が究極的には脳の問題だと考えていることも、同じです。
私は以前は、自分の視覚異常の問題と皮膚のことをつなげて考えたことがありませんでしたが、ヘルペスで入院してから、神経というつながりを考えるようになり、「新・脳の探検」という本を読んで、脳が人の身体のすべての機能に影響を与えていることを知り、自分の中で起こっていることは、究極的には一つにつながるような気がしてきました。

この作者が見ている、「浮かんでいるもの(フローターズ)」(時々目の表面に浮かんで見える、目の内側の死んだ細胞)や、「お星さま(スターズ)」や、「丸(スポッツ)」(空中に浮かんでいる荷電粒子)についても、私にはわかるような気がします。

彼女の言う「フローターズ」は、私が何年か前から目をあけていても閉じていても日常しょっちゅう見ているぼんやりとした光に似ています。目の内側の死んだ細胞だとは思っていませんが。
「スターズ」は目の手術後に一時期よく見えていた、青い粒々のきらめきと似ているように思います。
「スポッツ」は、小さい時に夢か現か分からない状態で見たかすかな記憶があるものと似ています。もちろん、空中に浮かんでいる電子だとは思いませんが。
これらは、現実にはそこにないもので、視神経から脳の視覚をつかさどる部分までの経路の間のどこかで起こることが原因ではないかと思っています。

この作者は多くのアレルギーを抱えており、また低血糖の問題も持っています。
ほかに、たんぱく質や脂肪の代謝も自閉症に影響を与えることがあるとか、ホルモンのアンバランスやカンジダが影響している場合もあると書かれています。
私は自分はホルモンのバランスがうまくいっていないことが一つのキーのように感じていたので、なるほどと思いました。
ただ、なかなかここでいうように、専門の医師に相談すれば解決します、というわけには行きませんが。
やっぱりそういうことがつながっているかもしれないなあと思いました。





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最終更新日  2011.05.28 00:17:33
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