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カテゴリ:読書
昨日古本屋でジェフリー・ディーヴァーのウォッチメイカーを見つけました。
以前スーパーの本の売り場にこの本が置いてあり、毎日散歩の帰りに立ち寄っては数十ページほど読んでしおりを挟んでおくということを繰り返していた時がありました。 が、上巻の4分の3ほど読み進んだところで、ある日突然棚から消えてしまって。 ま、売れてなくなるのは当たり前っちゃ当たり前なんですが、あの時はめっちゃがっかりしました。 それ以来お目にかかることがなかったので、見つけて即ゲット。 で、さっそく、「ウォッチメイカー」(ジェフリー・ディーヴァー)を読みました。 リンカーン・ライムのシリーズの7作目です。 シリーズの回を重ねて、この作品では少し修正を加えているように感じました。 たとえば、殺される人。 異常な殺人鬼に人が何人も殺されるということが毎回続くと、たんに人が簡単に死んでいくという繰り返しになり薄っぺらい話になってしまうので、今回は無残な死に方をする人はあまりありません。 また、殺される人の性質も、普通の市民が突然残酷な殺され方をするというのではなく、考えられています。 また、犯人を追い詰める捜査手法が、細かい砂粒やウールの繊維などの微細証拠物件の一辺倒では、面白みに限界があるので、今回はしぐさや言葉遣いなどから発言者の言葉の真偽を見極めるキネシスクという手法の専門家も登場させています。 このことにより、物的証拠に頼りすぎているストーリー展開に、心理面の裏づけが加わって、より深みが出ていると思います。 さらに、シリーズの始めの頃に比べて、リンカーン・ライムの性格が少しずつ人間味を増してきたのも、面白い変化です。 そして、これはシリーズを通して感じることですが、登場人物はみな優秀でその道のエキスパートですが、誰もが最初からそうではなく、ルーキーに対して厳しくも温かい目が向けられており、努力するものにチャンスが与えられているという描き方が素晴らしいと思います。 最後の解説は児玉清さんが書いています。「めっちゃ面白い」と何度も書いているのがおかしかったです。 亡くなったあと、ジェフリー・ディーヴァーとのインタビューの場で本人から創作の時に使われたノートを贈られた、という新聞記事を読んだことを思い出しました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011.07.17 17:31:48
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