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のんびり幸兵衛夢日記

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2012.07.17
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カテゴリ:読書
川は静かに流れ」(ジョン・ハート)を読みました。
「ラスト・チャイルド」より評判がいいようなので、今度は大いに気に入ったっ!ということになるかもと期待して。

で、読み始めてすぐ、何が気に入らなかったのかが分かりました。
浅い。っていうか、それは言わぬが花でしょうということを書いてしまうために、饒舌に書けば書くほど、深みがなくなって台無しになってしまう。
本文の前にある「謝辞」という文章がやたら長く(4ページ)、ここで「家族」をテーマにしていますと明言しているため、本文でそのような場面が出てきても、「ああ、今狙って書いてるね」とあざとく感じてしまいます。

やたら家族家族と言っているのだけども、家族をテーマにしているというよりも、ミステリーの舞台が家族というだけで、あまり掘り下げられているようには感じられませんでした。
世の中とはこういうものだと暗黙の了解としている、物語の前提というか作者自身の世界観が、下世話っていうか、表層的というか、読んでいてそこはかとなく違和感というか不快感を感じます。
これは東野圭吾を読んだときに感じたものと似ているような気がします。

でもこの違和感は、もしかすると翻訳によるところもあるかもしれません。
たとえば、グレイスという女性が暴行され重傷を負い、病院に運ばれた時の会話で、「あなたは生きている彼女を最後に見たんだもの」とあるので、死んでしまったのかと思ったら、ちゃんと生きていたり。
もっと基本的なところで、「肝腎なのは、足に地をつけることだ」ってな言葉が出てきたり。ま、これは、翻訳が下手っぴなんだなとすぐ分かるので、腹が立つこともないのですが。
さーっと読み進む時に、作者が意図する意味とは違う解釈をしてしばらく読み進んでから、あれ、じゃああそこはこういう意味だったのかなと考え直さなければならないところがいくつかありました。

ミステリーの筋書き自体は、ハラハラドキドキで、犯人は誰なんだろう?と考えるのも楽しく、主人公の推理は二転三転し、読む方はそれに振り回され、最後に分かる真犯人は意外で、面白かったです。
ページをめくるのももどかしい感じで、一気に読めました。

面白かったぁと、読んだ直後は思ったのですが、後から落ち着いて、話し全体を振り返ってみると、あまりにも現代社会の病理をひとつの家族に凝縮しすぎていて、いかにアメリカといえども、これはないやろという気がしました。
こんなもんかな、私も家の中の人のことをよく分かっていると言える自信はないけども、この家族はあまりにも互いのことが分かってなさすぎでは。

家族の中に精神的に病んでいる人がいたら、第三者として冷静に、そういうこともあるんやなというような理解の仕方ではなく、もっと自分自身の利害と衝突したり葛藤があって、いっぱいいろんなことを考えるのでは。
いや、スリリングで読み応えがあって十分面白かった。
たぶん、「謝辞」の言葉が余計だっただけ。。





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最終更新日  2012.07.17 18:45:31
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