えせ自然食品店その後
近所に「えせ自然食品店」が出来て約ひと月。壁に所狭しと手書きで何やらびっしり書かれたものが貼られた店内には、折りたたみ式のいすがびっしりと並べられ、その中に集まってきた人に、鮮やかなブルーのエプロンをした男性店員が熱心に何かを語りかけている様子が、店の外からうかがうことが出来たのが、2週間前からのこと。その後しばらく、連日店内は大盛況で、1日に2度3度と人が入りきらないほど集められては、奥で店員が熱烈に語りかけていました。確か、17,18日の連休(人によっては3連休)の夕方横を通ったときに、一家でレジャーにでも行きそうな若い家族連れで満員御礼だったのに、とても驚いた覚えがあります。そしてそのあとすぐ夏休みが始まり、ぎっしり並べられたパイプいすに座る人たちの中に、小学生まで見られるようになりました。毎日その店の横を通り過ぎながら、ガラス越しに中を覗き込んでは、いったいここで今、なにが起こっているのだろう?と、不思議でたまりませんでした。店の入り口には、その日によって、パンや、かつお節のパックなどがダンボールで置かれていたので、中で話を聞いている人たちが出てくるときに、それらを渡すのではないかと思いました。そのような商品に釣られて多くの人が辛抱強く長いあいだいすに座って話を聞いてる、ということだとは思うのですが、それにしても、一見していかにもいかがわしいその店がくれるというパンを、あんなに多くの人が欲しがるというその心理が私にはどうにも理解しがたく、毎日、気持ち悪いな~と思いながら観ていました。それでも、あまりにも大っぴらにというか、公然と毎日そのような光景が繰り広げられていると、だんだんと、何もおかしいことじゃないのかな?私が疑り深いだけか?などと思うようになってきたりもしました。そんなある日、いつものようにその店の横を通り過ぎようとしたところ、ちょうど通りがかった小学生の女の子を連れた女の人が、その子供に、話しかけているのを耳にしました。「ここねー、回覧でも回って来てるんよ。あっちこっちで問題起こして、訴訟起こされてるんだって。まさか、ココにまで来るとはね」ありゃ、そんなにも悪いところだったのか!と、その言葉を聞いて、改めて驚きました。十分アヤシイとは、最初から思っていた私でも、その気持ちが揺らぎ始めていたのです。私の家の自治会では、そのような回覧は回りませんでしたが、その後の経過を見ていると、以前と比べて、お店のイキオイがなくなってきているな、ということを感じます。店が開くのは週の半分ほどになり、集められる人数もある程度限られてきた様子。ただ、店側としては、それでもいいのかもしれません。依然として、律儀に通い続ける人がいるのだから。見ていると、ある一定の年齢層で、そこらを健康のために一生懸命ウォーキングでもしてそうな人っぽい(あ、私もか)。。いい人であることに慣れてしまって、スパッと切るという決断が出来ないのでは。相手の思うツボなのに。奥に張り出されている商品の値段は高額なものだし、これからどうなっていくのか、何だか見ていて段々気が滅入ってきました。週に半分ほど閉じていた店の扉が、気付ばずっと開かないままになって、自然消滅、ってことなのか。で、そのときには・・。このような催眠商法や宣伝講習販売といわれるものの被害の場合には、8日間のクーリングオフ期間があります(念のため)。__________________________________きのうの晩御飯・おすし押し寿司(冷凍しておいたサーモンの酢締め)、いくらの軍艦巻き(一昨日魚屋で生筋子を買ってほぐし、しょうゆ漬けにしたもの)ネギトロ巻き・冬瓜しょうが汁・甘長の網焼き