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西條剛央のブログ:構造構成主義

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西條剛央

西條剛央

2007/05/20
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カテゴリ:構造構成主義
先日、本年度最初のネキダリス勉強会があった。

若手を中心におもしろい人を集めてやっているクローズドの勉強会(池田先生が主催で、僕が世話人をさせて頂いている)。

発表者は、新メンバーの一人Sさん。構造構成主義(構造主義科学論)をコミュニケーションに応用しようという新たな試みだ。

彼は次世代研の最終回で初めてあったのだが、いろいろ話してみると、かなり哲学的、理論的なセンスがあって「こんな人もいるんだな」と驚いた。で、参加してもらうことになった。

構想の段階のものをもとにみんなで議論するという感じだったが、気がついたら3時間休憩もなしで、ずっと議論するほど盛り上がった。

彼の問いの立て方は的を射ており、またいくつかおもしろいアイディアも出ていたので、それをもとに、斬新かつ妥当なコミュニケーション理論を体系化していってもらえたらと思う。これは相当大きな仕事になると思うので、多少時間はかかるかもしれないが、その分その射程は遠大なものになるだろう。愉しみだ。




次回発表者は、Kさん。彼も今回初めて参加してもらった。構造構成的芸術論を体系化している学生がいる、というのはT君から聞いて知っていた。

「構造構成主義」で検索してみると彼を発見。ゴールデンウィークに、サークルの合宿にも行かず、5万字ほどの「構造構成的芸術論」の論文を書き上げた、という日記をみて、同じく著書の執筆をしていた僕は、勝手に同志のような気持ちになり、メッセージを送り会うことができ、勉強会に参加してもらうことになった。


なんと彼は若干20歳(『構造構成主義の展開 21世紀の思想のあり方(現代のエスプリ)』に、構造構成的歴史学が掲載されている多田羅君も20歳だが)。その論文は池田先生をして「20歳にしては相当なものだ」といわしめるほどのもの。

僕が、論文を読んだとき、最初に京極真君が構造構成主義を使った理論論文を送ってきたときに似た感じがあった。

構造構成主義をよく理解し、ツールとして使いこなすことができている点。これは理論的なセンスがないとできない。構造構成主義を“使う”という点で迷いがなく、それで1本柱を通すことができている点。“これでいける”という直観力とそれに対して迷いがないこと、これは理論を作るとき意外と重要だ。

また、5つぐらいのテーマが1つの論文に詰め込まれている、という点でも似ている。もちろん、それは、どうしても1つ1つの理路が雑になるということなのだけど、草稿の段階でそれは問題にならず、むしろそれはアイディアが豊富ということを意味する。実際、京極君は、それらの一つ一つを大切に育てて、論文化していき、いくつかの出版社からオファーをもらうほどになっている。

こじんまりと手堅い論文など訓練すれば誰でも書ける。しかし、これは磨けばそれぞれ相当なものになるぞ、というものはなかなか書けるものではない。そうした、「ビッグピクチャー」を描けるということが、将来的にオリジナルな著書を書ける、ということの条件なんだと思う。

もちろん、学術的な論文としての質を高めることは欠かすことができないから、関連する文献を集めまくりそれらを精査し、異同を押さえていく必要はあるが、基本的な構想は的を射ているし、独特のリズムの文体にも、才能を感じる。そして、それを「形」(論文)にすることにこだわったところなど、プロの研究者に向いていると僕は思う。


僕の周りには、半回り~一回り下の年代の、才能ある若者達が集まっている。彼らに残されている膨大な時間と、彼らの成長の速度(傾き)を思うと、僕の年代になる頃にはどれほどになっているだろう。愉しみだ。






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Last updated  2007/07/07 01:34:43 AM


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