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カテゴリ:雑感
原理性の深度が深まっているのはいいのだけど、“それ”は突然やってくるので、必ず予定に割り込んでくる。
“それ”はなかなかややこしい問題なので、思いついたときに、ある程度まとめておかないと、また考え直さなきゃいけなくなるから、書かなきゃいけない。 そんなこんなで気がつくと、連載記事の〆切りが目の前に迫っている。いや、すでに二回分書いてみたのだが、どうも納得いくものにならない。「よし、これでいける!」という感じにならない。 煮詰まっていない。そういうときは、僕自身、そのモンダイについて、よくわかっていないのだと思う。もちろん、これまでも書いてきたテーマだから、そこらの研究者よりはわかっているとは思うけど、もっとこれらをスッキリ通す何かはあるぞという予感があり、それと比べるとわかっていないという感じだ。 難解な論件について、理路の精度を落とさずに、一般の人向けにわかりやすく書くというのは、けっこう創造的な仕事だと思う。というのも、本当の意味でわかりやすく書くためには、難解さの理由を解きほぐし、そのエッセンスを掴み出す必要があるからだ。 モンダイを煮詰めていくとき、どうするか? 僕はパソコンから離れて考える。お湯に浸りながら、水風呂の中で、歩きながら、あるいは寝ながら考える。寝っ転がって、思いついたことを紙に書き付けていく。それから、いろいろな色を使って、それらをまとめてみる。 ときには、誰かに話したりするとまとまったりもするのだが、それはわりと煮詰まっていて、もう一押しというときに有効な気がする。自分自身で孤独に考え抜く、コトコト煮込むしかないときもある。今回はそんな感じだった。 難解な素材から、エッセンスだけを取り出して、調理し、お客さん(読者に)に差し出す。それで、おいしく食べて、よく消化してもらい、知的栄養にしていただく。一流の物書きになりたい人は、一流のシェフのごとき仕事をすべきであり、そのための技術を磨き続ける必要がある。僕はそう思っている。 そんなこんなで、ようやく「これでいける!」というエッセンスを抽出することができた。あとは、それを使って上手に調理していくのみである(といってもこれはこれでたいへんなんだけど)。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007/05/31 10:38:41 AM
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