西條剛央のブログ：構造構成主義

ウインブルドン決勝。

５連覇を狙う芝の王者フェデラー。

それを阻止せんとする赤土の王者ナダル（クレーコートの全仏３連覇中）。

いつもウインブルドンの決勝とかみると思うけど、このレベルはなんというか、凄すぎるとしかいいようがない。あっけに取られるプレーの応酬というか、その身体能力も技術も精神力も同じ人間とは思えない。その凄さはテニスをやったことがあるひとならわかるだろう（と、こういう観戦者の見方をしている限りそれに近づくことはできないのだが、今はただ唸りながらみていたい）。


個人的にナダルのプレースタイルが好きで、フェデラーの顔があまり好きじゃないので、フェデラーのプライドごとぶっ潰して欲しかったのだけど、負けてしまった。

５セットでブレイクポイント2個を逃したのがでかかった。内容では互角だったが、ここぞというときのフェデラーの集中力がさすがというべきか。


しかし、ナダルは昨年より確実に強くなっている。若いナダルはまだまだ強くなるだろう。

フェデラーがそれを一番実感していると思う。

昨年フェデラーは、優勝インタビューで「まさかナダルが決勝に上がってくるとは思わなかったよ」といっていた。完全に格下扱いで、警戒する相手にもなっていなかったのだ。 それを聞いたナダルは明らかに不快な顔をしていた。ナダルは自分が決勝にあがる、そしてフェデラーに勝つと思っていたに違いない。

ナダルの顔には「なめてんじゃねーぞこのやろう！来年こそはそのプライドごとぶっ潰してやる！」とはっきり書いてあった。そして、今年こそ絶対にフェデラーに勝つという意気込みであがってきたが、 一歩及ばなかった。

だが、今年のインタビューでは、フェデラーは「ナダルにすべてのタイトルを取られる前に勝てて良かった。彼が勝ってもおかしくなかったが今日は僕の方が運がよかった」といった。これからも、明らかにその存在を驚異に思っているのがよくわかる。



ナダルはまだ２１歳（なんと１９歳と２日で全仏で優勝して世界チャンピオンになっている。凄すぎる）。 １年後、確実にパワーアップしているだろう。

若者は飛躍的な成長をする可能性を秘めている。いや、飛躍的な成長を可能にすることを、若さと呼ぶのかもしれない。

この二人は今後も凄い試合で魅せてくれるに違いない。できればフェデラーが全盛期のうちに彼を破り、超えていくナダルの姿をみたいものだ。