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西條剛央のブログ:構造構成主義

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西條剛央

西條剛央

2007/08/05
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カテゴリ:雑感
朝青龍が徹底的なバッシングにあっている。横綱の品格もけっこうだけど、罰してもいい理由がみつかったらよってたかってぶったたく日本人の品格も問うべきではないか。

なまじ「批判してもよい正当な理由」があるだけに、いじめている当人はいじめているなどとつゆほども思っていない。

「あいつは悪いことをしたのだから、たたかれて当然だ」というわけだ。「身からでたサビだ」と。

ふーん。そういえば、昔、ガッコウでいじめを繰り返していたヤツらも同じ台詞を言ってたなあ。



横綱で、優勝したから、鬱病になんてなるわけないなんて思っている人がいたらかなりオメデタイと言う他ない。

どんな人間だって、彼と同じ様な目にあえば、鬱病ぐらいになる。4年間も一人横綱でふんばってきた。連勝記録も作った。それが一夜空けたら、止むことのない批判の嵐。今までの貢献はなんだったのか。誰も信じられなくなるのはむしろ自然なことだ。

横綱だから、有名だから、相撲が強いから、鬱にならないなんてわけがない、鬱になるほうがおかしいという論調すらある。彼が一人の人間ってことも忘れているのだろう。

だいたいにして、いじめる人間は、相手が“自分と同じ人間”ということは忘れているのだ。

朝青龍がいくら強いといっても拳銃で急所を撃てば死ぬ。心の傷は血が出ないからそれとは違うとでも思っているのだろうか?

鬱で死んでいる人がどれだけいるのか分かっているのだろうか?

自殺者は毎年平均で3万人以上いるのを知っているのだろうか?

自殺者のほとんどは他殺(他人が自殺に追い込んでいる)ということを知っててやっているのだろうか?

朝青龍はどんなに叩いても死なないとでも思っているのだろうか?

怖ろしいことだ。



おそらく、今回のことは、彼のことを以前から意識レベル、無意識レベルでおもしろくないと思っていた人達に、彼をぶったたく「正当な理由」とやらを与えてしまったのだと思う。

「ケケケ、これだけのことをやったら、もうどんなにぶったたたいても、大丈夫だ、それ!みんなで完膚無きまでやってしまえ!!」という善良な国民の、残酷な正義の声が、あちこちから聞こてくる。

おそろしい。

そう、彼らは思う存分叩ける機会を静かにまっていたのだ。

これまで朝青龍は強くて、実績もあったから、叩きたいと無意識で思っていても、そこまで叩けなかったのだ。

それが他に横綱もできたし、大関にあがったやつもいるし、相撲人気も回復しつつある。朝青龍が消えても問題ない。そこで今回の決定的!と言えるような事態が起きたわけだから、いじめが得意な人間がこの機を逃すわけがない。




2場所出場停止だけにとどまらず、病院以外どこに出かけてもならないという。

これを「軟禁」というの、知ってますか?

やっていることはビルマ政府がアウンサン・スーチーにやっていることと同じだ。人の日常生活の自由すら奪うそんな権利は誰にもないはずだが。

「いや、アウンサン・スーチーは悪いことはしてないが、朝青龍はしている!」

そうですか。ビルマ政府からしたら、アウンサン・スーチーは悪いことをしたと思っているから、軟禁してるんだと思うよ。

民主主義という手続きに乗っ取った「正当な軟禁」。こんなおそろしい軟禁は他にないだろう。

今回の「いじめ」が正義の旗のもとで、無自覚で展開されているのが、ほんと恐ろしいと思う。

反省して、病気になりかけている人に、追い打ちをかける行為はいじめということぐらい自覚して欲しい。



マスコミはいじめで自殺する人が出たときに、「いじめをなくそう」などと偉そうに報道する権利はない。一番いじめの先頭を走っているのがマスコミだからだ。 「私たちのやっていることはいじめに他ならない」と宣言するマスコミが一つもないのがマスコミの良心と良識を疑う。


テレビの報道は偏っていてひどいものだ。「どう思いますか」と言ってわざわざファンの人にビデオをみせて、涙目にさせて怒りを爆発させた様子を、報道しているところもあった。それで視聴者は「日本を、国技を舐めている!厳罰に処すべきだ!」と怒る。みんなを煽って怒らせてるのは、むしろテレビ局ではないのか。

僕も疲労骨折したことあるから分かるけど、相撲のようによほど激しい運動じゃなければ、短時間の草サッカーぐらいはできる。立ち会いの衝撃が1トン以上になる相撲と草サッカーを一緒に考えるのはおかしい。100メートル走れるならマラソンも走れるだろうというようなものだ。

しかもモンゴルの子供たちへのチャリティー親善試合だったというのだから、「相撲は厳しいけど、母国に頼まれれば10分程度サッカーぐらい出てもいいかな」となるのは彼の優しさじゃないのか。

確かに横綱として配慮に欠ける行動だったのは間違いない。他にいろいろ問題行動もあったにせよ、しかし、これまで相撲界を盛り上げてきたのは朝青龍だろうに。彼がいなかったら横綱不在の角界など廃れた可能性だってあることぐらい考えてもよさそうなものだが。

日本人はどんだけ功績を上げた人でも、一つ決定的なミスをしたら、それまでの功績はまったく考慮せず、むしろ功績がある分だけぶったたく傾向がある。



日本のこうした側面は歯止めがかからなくなっている。これが加速した先には何が待っているのだろうか。

一つ間違えば、「明日は我が身」だということぐらい考える想像力はもっていてもいいのではないか。

こういう日記を書こうものなら、朝青龍がいかに叩かれるに値することをやったのかを、正義の旗のもとで説く人がたくさんいるのを僕は知っている。

「いじめを見て見ぬふりをするのはいじめているのと一緒だ」と言う人はたくさんいるが、実際にリスクを負ってかばおうとする人はほとんどいないよなあ。



人間は3種類に分けられます。

あなたは、いじめて良い理由があったらいじめる人ですか? 

いじめを見て見ぬふりをする人ですか? 

いじめられている人をかばう人ですか?







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Last updated  2007/08/08 05:31:59 PM
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