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西條剛央のブログ:構造構成主義

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西條剛央

西條剛央

2007/08/10
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カテゴリ:教育
偏った報道を続けるマスコミと、その扇動に乗っていじめを続ける「善良な国民」がいる限り、日本では心の病の治療にはなりはしない。まずは帰国させて、すべてはそれからだろう。

警察だって、犯罪を犯した人でも怪我をしていたりすれば治療を優先する。

それ(朝青龍が軽率な行動をした)と、これ(治療を優先的に受けさせる)は全く別の次元の話なのだが、世論はバッシングに夢中で、こんなことすらみえなくなっている。


▼どこまでいじめれば気が済むのか?

なまじ「批判してもよい正当な理由」があるだけに、いじめている当人はいじめているなどとつゆほども思っていない。 これを「正義の名の元の無自覚なイジメ」という。

横綱の品格もけっこうだけど、罰してもいい理由がみつかったらよってたかってぶったたく日本人の品格も問うべきではないか。

こういう擁護するような意見を言うと、「あいつは悪いことをしたのだから、たたかれて当然だ」というわけだ。「身からでたサビだ」と。

ふーん。そういえば、昔、ガッコウでいじめを繰り返していたヤツらも同じ台詞を言ってたなあ。

「身から出たサビ」だから→「いくらいじめてもいい」というのはいじめっこが自らを正当化する論理そのものである。

朝青龍は横綱として「軽率な行為」をした。だから“横綱として”2場所出場停止は受け入れなければなるまい。そして彼はそれは直接ではないにしろ謝罪し、素直に受け入れた。

しかしね、2場所出場停止だけにとどまらず、病院以外どこに出かけてもならないという。

そしてマスコミの包囲網によって、実質上の「軟禁」に陥っている。

民主主義という手続きに乗っ取った「正当な軟禁」。こんなおそろしい軟禁は他にないだろう。


▼協会の対応はいかがなものか


法律の専門家によれば、「自宅謹慎は人身の自由を奪う程度のものであれば直接18条違反の問題となり得る」という。憲法第18条には「何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない」とある。彼は犯罪を犯したわけではなく、その行動を規制することはできない。それは「一般企業の懲戒としての謹慎であっても同様」とのこと。

たとえ法的に人権侵害とならずとも、世論やメディアの取材陣の包囲などにより「事実上」、人権侵害に近い状況になる恐れがある 。現状では、そうした違法性が出てくるの可能性について指摘するマスコミはほとんどない。 こうした状況に追い込む点(人々、メディアのあり方)が問題なのではないか。


「高山義浩」さんという医師が「国際保険通信」にて次のように述べている。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 外国人労働者にとって、「国に帰る権利」「家族に再会する権利」というのは極めて基本的なものとして保障され続けなければなりません。それぐらい、異国で働くということはストレスの多いことなのです。たとえば、難民を含む労働者の往来が活発な米州機構(OAS)が締結している、米州人権条約(通称:コスタリカ・サンホセ条約)というものがあります。これは外国人労働者の基本的人権として、国際的に高く評価され引用されることが多い条約です。その第22条5項には「何人も自己がその国民である国家の領域から追放されたり、入国する権利を奪われることはない」とあります。すなわち、相撲協会の「自国へ帰ることを許さない」とする処分は、国際的にコンセンサスが得られている外国人労働者の人権思想に抵触しています。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
横綱を辞めれば帰国できることを考えれば、この意見がそのまま妥当するかは微妙なところではあるが、しかし、日本の外国人労働者に対する人権意識が低いという指摘としては受け取るべきものは少なくないように思う。なぜ、こうした報道がされないのか。

世間的なバッシングの空気の前では、違法性や人権なんぞどこ吹く風ということか(もっとも、いじめの問題はこうした違法性や人権以前の問題だから、本論の趣旨ではない。たとえ違法性があろうがなかろうが人権侵害になっていようがなかろうが、偏った報道と過度なバッシングは「いじめ」に他ならないためだ)。


▼ 事実確認。朝青龍は何をしたのか?

「いや、朝青龍は横綱として許されないことをやったから、このぐらいの謹慎は当然だ」という声が聞こえてくる。

ふーん、でもそれってマスコミの偏った報道を鵜呑みにしてそう思いこんでいるという可能性はないのかな。

朝青龍は実際何をしたのだろうか? 

そもそも、朝青龍はサッカーをやるために帰国したわけではない。

中田がモンゴルの子供のためのボランティアでサッカーをしていたところ、たまたま観戦に来ていた朝青龍は会場でファンにつかまり、「サッカーをやって」とせがまれた。モンゴル政府からも要請を受け、断ったらファンを悲しませると考え、体が痛いが我慢してサッカーをした。

しかもその場にいた人の証言では、朝青龍はゴール前でじっと動かずに水を飲んだりしており、ボールがきた3回ぐらいのときだけ動いてシュートをしたりしていたという。出ていたのも10分程度だったらしい。

しかし、その活発に動いた映像だけが編集されて、あたかもずっとサッカーをやっていたかのごとく繰り返し繰り返しテレビで放映された。

これは、朝青龍をぶったたくことを目的とした悪意ある編集という他ない。

その結果。国民激怒。「国技を舐めてる!」「ゆるさん!」「厳罰に処すべし!」となったわけだ。

その報道がこれ↓

「腰を疲労骨折しながら帰国中のモンゴルでサッカーをする姿が伝えられた朝青龍に対し、「仮病では」との声も上がる騒動に発展したが、協会側は朝青龍のけがを認定した上で、誤解を招いた軽率な行動を重く見て処分を課した形となった」という。
http://www.mainichi-msn.co.jp/sports/battle/news/20070802k0000m050128000c.html


▼ 協会も仮病じゃないって言ってるんだが

マスコミではあたかも「仮病」であることが前提として議論されているが、本当だろうか?

「仮病」でないことは、協会も「休場届とともに三重県内の医師が提出した診断書については「正当なもの」と語り、「仮病説」を否定した」とちゃんと認めている。

それにもかかわらず、こうした事実はなかったのごとく報道されている。テレビの報道は偏っていてひどいものだ。「どう思いますか」と言ってわざわざファンの人にビデオをみせて、涙目にさせて怒りを爆発させた様子を、報道しているところもあった。それで視聴者は「日本を、国技を舐めている!厳罰に処すべきだ!」と怒る。

みんなを煽って怒らせてるのは、むしろマスコミではないのか。


▼ 疲労骨折と骨折は天と地ほど違います。

「疲労骨折」を「骨折」かのごとく報道しているものも多々ある。背骨を骨折していたらそりゃあサッカーなんてできないだろう。

しかし、僕は疲労骨折したことあるから分かるけど、相撲のようによほど激しい運動じゃなければ、短時間の草サッカーぐらいはできる。ちなみに骨折もしたことがあるが、これは人生で一番痛くて身動きすらできなかった。ヤンキースの松井も人生で一番痛かったといっていた。「疲労骨折」と「骨折」は天と地ほどの差があるのだ。

そして、「立ち会いの衝撃が1トン以上になる相撲」と「10分足らずの草サッカー」を一緒に考えるのはおかしい。100メートル走れるなら42.195kmのマラソンも走れるだろうというようなものだ。

ここだけで「天と地ほどの開きのある怪我の程度」と「性質上まったく負荷の違うスポーツ」という二重の誤解がある。

しかもモンゴルの子供たちへのチャリティー親善試合だったというのだから、「相撲は厳しいけど、母国に頼まれれば10分程度サッカーぐらい出てもいいかな」となるのは彼の優しさじゃないのか。

なぜそういう報道が一切されないのか。公平性に欠くどころの話ではない。悪意に満ちた報道と断じざるを得ない。テープ編集した局?編集したヤツはどんな邪悪な正義面をしているのだろう。


▼ なぜ病気になったのか? 

先も確認したように、 今回のことは「軽率行動を重く見て処分」されたものだ。その点で確かに朝青龍には非があると思う。そして彼はそれを受け入れ、直接ではないにせよ謝罪しているではないか。

それなのにマスコミはそうした側面はスルーし、悪意に基づく編集テープを繰り返し放映することで、「仮病で巡業を休みサッカーを楽しんでいた国技を舐めて、謝罪の一つもしない朝青龍」というイメージを作り上げ、国民の怒りを煽り、ずっと叩き続けている。

僕は、彼がそうした「悪意」を肌で感じ取り心の病になったとのだと思う。

どんな人間だって、彼と同じ様な目にあえば、鬱病ぐらいになる。4年間も一人横綱でふんばってきた。連勝記録も作った。それが一夜空けたら、止むことのない批判の嵐。今までの貢献はなんだったのか。誰も信じられなくなるのはむしろ自然なことだ。

横綱だから、有名だから、相撲が強いから、鬱にならないなんてわけがない、鬱になるほうがおかしいという論調すらある。彼が一人の人間ってことも忘れているのだろう。

だいたいにして、いじめる人間は、相手が“自分と同じ人間”ということは忘れているのだ。

朝青龍がいくら強いといっても拳銃で急所を撃てば死ぬ。心の傷は血が出ないからそれとは違うとでも思っているのだろうか?

鬱で死んでいる人がどれだけいるのか分かっているのだろうか?

自殺者は毎年平均で3万人以上いるのを知っているのだろうか?  

自殺者のほとんどは他殺(他人が自殺に追い込んでいる)ということを知っててやっているのだろうか?  

朝青龍はどんなに叩いても死なないとでも思っているのだろうか?

怖ろしいことだ。


▼ またもや仮病扱い

そうした執拗なバッシングで、病気にしておいて、それすら「仮病」扱いだ。マスコミは本当に怖ろしい。

協会指定の医師にまで診断させたが、その診断結果は事実上無視。協会は何がしたいのか?

結局、協会指定の医師にまで診断させたのは、仮病だと言って欲しかったというだけのことなのだろう。

マスコミも、国民の怒りを煽る偏った報道をするのもいい加減にしたらどうか。

「説得に失敗」とか「会見拒否」とかいう見出しが躍っているが、そういう問題じゃないんだよ。そもそも病気なんだから、背骨が折れている人に、一緒に富士山登ろうと説得したが、失敗したとか、登頂拒否とかいっているようなものだ。

マスコミはいじめで自殺する人が出たときに、「いじめをなくそう」などと偉そうに報道する権利はない。一番いじめの先頭を走っているのがマスコミだからだ。 「私たちのやっていることはいじめに他ならない」と宣言するマスコミが一つもないのも異常だ。

もはや、マスコミは信用に足るメディアではないのはこれまでの論証で明らかであろう。僕らも煽りを鵜呑みにするのではなく、冷静に考える必要があると思う。




(後編に続く↓)





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Last updated  2007/08/20 04:32:00 PM


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