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西條剛央のブログ:構造構成主義

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西條剛央

西條剛央

2008/11/19
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カテゴリ:哲学
最近、もっと強くなりたい、とよく思う。

それは身近な人が病気になってしまったというのもあるけど、ワークショップとかをしていてもそう思う。

もっと自分が強ければ、どんなに厳しい状況であっても、もっといろんな人の助けになり、守ることができるのにと思う。




強さとは何か?

これは長年なんとなく考え続けてきたことだ。



井上雄彦は、最後の漫画展で、


強さとは

やわらかく

あたたかいもの


と言っていた。

直観的にはその通りだと思ったが、原理的にはもっと言い当てられるような気もしていた。




そして最近ふってきたのが、



強さとは、大切なものを守る力のこと



だからそれは優しさだったり、やわらかさだったり、温かさだったり、経済力だったり、知力だったり、体力だったり、しなやかさだったりする。


だから人は、大切なものを守るための強くなろうとするのだ。

大切なものが自分だけであれば体力やある程度の経済力があればよく、優しさや温かさは必要ないかもしれないが、大切なものが身近な人であれば、やわらかさや、温かさは必要不可欠なものになる。

それがない人を、僕らは本当の意味で「強い」とは思わないのはそのためだ。

井上雄彦は、そこを言い当てたのだと思う。






大切なものを守る力が今よりもっともっと無かった頃、そんな自分の力のなさが悔しくて泣いたことがある。

そして、あの悔しさは、僕の原動力になっている気がする。









(以下、これに関連して『崖の上のポニョ』の話。一部ネタバレ注意)。






















宗介は目の前でポニョをさらわれてしまう。

泣きはらしたような顔で、茫然自失だが、リサ(お母さん)がなぐさめるために与えたアイスを食べている。


家に帰って、落ち着きを取り戻したのちに、5歳の少年はリサの前で、遠い目をしながらこうつぶやく。



「僕ね ポニョを守ってあげるって約束したの」



にもかかわらず、守ってあげられなかった自分がふがいなく、どうしようもなく悔しかったのだろう。




彼はいい男になると多くの人(おそらく特に女性が)思うのは、そういうところなんだと思う。

何も知らないうちに「ポニョ、宗介好き!」と宣言するポニョには、見る目がある。




そういう視点でみると、ポニョの話は「大切な人を守る」というモチーフで貫かれているのがわかる。

リサは宗介やおばあちゃん達を守り、おばあちゃんも宗介を守ろうとする。宗介はリサやポニョを守ろうとする。

ポニョのお父さんやお母さんは世界を守ろうとする。



みんな大切なものを守ろうとしている点で同じなのだ。

だから大切なことは、大切なものを守ろうとする意志同士がぶつかりあわないようにするための考え方の原理や、価値観や、制度を構築していくことなのだ。

それが21世紀に生きる僕らが大切なものを守るためになすべき最大の課題なのだと、僕は思う。



(↓ポニョの予告編)
http://jp.youtube.com/watch?v=g3pK1jMgIDU&feature=related







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Last updated  2009/01/01 12:49:55 AM


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