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カテゴリ:質的研究
10月11日に開催される日本保健医療福祉連携教育学会(千葉大学)にて行う教育講演の内容をお知らせしておきたいとおもいます。
異職種間で信念対立に陥らずにうまく連携していくための「考え方」を,構造構成主義の観点から示していきたいと思います。午後のセッションもおもしろそうなので僕も参加して行こうと思っています。 学会の情報は以下です。 http://www.jaipe.jp/ http://www.jaipe.jp/conf09.pdf http://www.jaipe.jp/PosterJAIPE09A3.pdf ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ タイトル 異職種間の信念対立克服のための考え方―構造構成主義の視座 氏名 西條剛央 所属 早稲田大学大学院商学研究科専門職学位課程(MBA/MOT) 異職種間の連携は,チーム医療を促進する際にも,総合的な医療システムを十全に機能させるためにも欠かすことができません。ところが立ち位置や関心の違いから起こる様々な「信念対立」が異職種間連携を妨げるということがあります。 構造構成主義は,専門を異にする人が信念対立に陥り,建設的なコラボレーションができない現状を打開するための理路を備えているため[1][2],異職種間連携を促進するための「思考法」として役立ちます[3][4]。『構造構成主義とは何か』(北大路書房)を上梓させていただいてから数年の間に、人間科学的医学,医療論,実践原理論,看護学,障害論,QOL理論,チーム医療,作業療法,臨床心理学,認知運動療法,精神医学,認知症,リハビリテーション,ソーシャルワーク,EBM,NBM,健康不平等論,インフォームドコンセント論,哲学,社会学,教育学,歴史学,文学,心理学といった多岐に渡る領域/テーマに導入されているのは、信念対立の克服の必要性と意義が広く共有されていることにその理由の一端があるのは間違いないように思います。 本講演では構造構成主義やSCRM((Structural-construction research method;構造構成的研究法)[5]の観点から,異職種間連携を妨げる「信念対立」を低減するために有効な「考え方」を紹介していきます。何らかの「正しさ」を起点とせず,かといって何でもアリの相対主義に陥ることもなく,着実に歩みを進めるための「思考法」の可能性を提示したいと思います。 文献 [1] 西條剛央 2005 構造構成主義とは何か――次世代人間科学の原理 北大路書房 [2] 竹田青嗣・池田清彦・西條剛央 信念対立の克服に向けて 構造構成主義研究2 18-46 [3] 京極 真 2008 職種の「間」の壁の超え方――「立場の違いを超えた連携」とはどういうことか 助産雑誌62(1) 20-24 [4] 京極 真 2007 チーム機能の向上 樋口輝彦(主任研究者) 精神保健医療における診療報酬の在り方に関する研究 平成18年度厚生労働科学研究費補助金 政策科学推進研究事業 平成18年度総括・分担研究報告書 145-148 [5] 西條剛央 2009 看護研究で迷わないための超入門講座――研究以前のモンダイ 医学書院 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009/10/02 04:21:30 PM
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