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カテゴリ:タイタス・クロウ・サーガ
小雨のそぼ降る日の深夜、気の滅入る様な商談をやっとの思いでおわらせ、帰宅したわたしを待ち受けていたのは、見慣れた筆跡―――ややはしり書きぎみにわたしの名前が記された、タイタス・クロウからの召喚状だった。いそいで書かれたと思しきその便箋にはわたしの速やかな来訪を望む旨が、クロウらしい簡潔な文章で記されており、わたしはそれを確認するや、脱ぎ捨てたばかりの外套をふたたび羽織り、所有する幾つかの高価かつ貴重な品々の管理を確認し、電話でタクシーを呼びつけ、彼の居住する邸宅であるブロウン館に向かうことにした。何しろクロウは、私にとってはよき友人であると共に惹かれてやまない暗い領域への探索に関してはこの上ない信頼を寄せるには十分すぎる人物なのだから。
―――<タイタス・クロウ・サーガ>の二次創作をしてみようと思い立ったのですが、いざやってみるとこんな感じの冒頭1場面だけで挫折いたしました。 難しすぎるんだよう、あの文体の真似っこは。 ネタとしては、二次創作によくあるような普通にささやかな一つの事件、具体的には所謂怪異ハンター的な、ちょっとした怪奇事件とその顛末(ちょこっと女性向け風味)っていうのをやってみたかったんですが…無理だね、キッパリと。 うー、ド・マリニーの一人称の作品は結構あるし割とド・マリニーの感性は一般的な感覚で書かれていると思うから、読み込めばどうにかなると考えてたんだけどなぁ。逆にクロウ視点の作品は、クロウ自身が悠然とした超越者すぎて書きにくそう。 何よりキツいのは、私が普段文章を書くときに使っているような俗っぽい口語表現が基本的に使えないって事だよなぁ。こいつら、会話ですら結構堅苦しいい言葉遣いで話してそうなイメージだし。あまあまー、な会話を妄想したりするのは楽しいけど。 努力あるのみ、だねぇ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.07.22 18:56:48
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