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Burning Red

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魚焼き機@ ……ツンデレ。 それはもう十分に素敵なツンデレだと思う…
世亜羅@ 私的には・・・ デレ対象は冷や汗を垂らしつつも 「旨い…
2006.07.27
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カテゴリ:ミステリ
気持ち悪い…

いや、別に話の筋がグロテスク…でもあるけどそれだけじゃなくて、(一部)登場人物の内面描写が気持ち悪い…のも確かだけど、それ以上に読んでいる間中ずっとユラユラ揺れる小船の上で、なすがままにぐるぐると引きずり回されている様なというか、なんというか足元の定まっていない感じが強い、気持ち悪い一冊。

なので冒頭に書かれている館の見取り図&登場人物一覧をたびたび参照しながら読み進んでたんだけど、それ及びに読書中の気持ち悪さ、違和感すら計算されつくした伏線だったという見事な構成には脱帽の一言。



っていうかこの本ってネタバレ無しに感想を書くのが極めて難しいと思うんで、以下はネタバレ反転。

本書の一番の肝は、やっぱり読者に向かって仕掛けられた二重の叙述トリックだと思う。その内一番目の《視点人物が誰であるか》の問題に関しては、何度も言っているように、ある意味あからさま過ぎるくらいあからさまに書かれてるから、違和感を感じる人は多かったと思う。私もそうだし。

けれどそれを飲み込んだ上で読み返してみると、そこここで触れられている《記述者の嫌われっぷり》が納得できる物でもあり、物悲しくもあり。たしかにこの記述者はまぎれもなくストーカー的気質を持ったキモヲタ(あえてこんな単語を使用します)だし、実際に標的の女の子の家に盗聴器を仕掛けたりするような変質者でもある以上、彼&彼女の反応は当然の物なんだけど、それでも盗聴によって自分への悪評を直接聞いているときの彼の心境はどんなものだったのかな…トリックに関わってしまうせいか、その辺の心理描写はあまりなかったんでちょっと気になる。

そしてそんな第一のトリックすらどうでもよくなってしまう前代未聞の《読者(&記述者)には分かりきっていたけど、それ以外の登場人物には隠蔽されていた》というひねくれた形の叙述トリック…これこそが、《登場人物一覧すらも伏線に使用していた》本作最大の凄まじい一撃であるわけなのです。

まぁ…小中高生までなら兎も角、大学生にもなって《ボクっ娘》ってのは相当イタいよなぁとかは思わなくもなかったけど、ヲタクとしてそういう記号的な登場人物の個性に慣れきっている身としてはその辺の違和感を見過ごしてしまいがちなわけで、あーもう、気持ちよく騙されてしまったよ。

でもそのことを念頭に読み返してみると、しっかりおかしい部分も散見しているわけで、特に部屋の捜索時の配慮のなさとか、どこかにあるかもしれない化粧品を探す際に彼女に関して誰も言及しなかったというのは、知ってて読むとあからさまにおかしいんだよねえ。

でも、初読時にこのおかしさに気付ける人はいるのかもしれないけど、もしもその意味―――性別誤認トリックをも抜くことが出来た人が要るとしたら…その人には、銘探偵の素質があると思います。




そして、ラストのたった一頁が物語る世界の崩壊、残された存在。

誰が死に、誰が生き残ったのか。

聞く所によると、生存者が誰であるかについては麻耶氏ご自身の中には明確な回答が存在しており、尚且つそれは論理的・物語の流れ的に、素直に導き出されるような物であるらしいのですが…でも、《それ》が私が考えている人物ならば、それはあまりにも救いがなさ過ぎるんだけど…それでも、その救いのなさこそが相応しい作品であるというのも確かな事実。…まぁ、回答が明記されてないのをいい事に、自分の好きな結末&好きな登場人物を当てはめて脳内補完するってのも一種の昇華の仕方かも。



それにしても、お話自体の《気持ち悪さ》は書き手側の計算のうちだと思うし、読んでいるこちら側もそれを期待している面もあるから気にならなかったけど、中盤以降の《ジョージ》関連事項のグロテスクさには参ったよ…まぁその反面、《ジョージ》の正体自体はかなり分かりやすかった…というか、最初から隠そうとしてない趣すらあったし。でもでも、ああいう直接的・生理的グロさだけは駄目だあ。





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Last updated  2006.07.27 18:37:01
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