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カテゴリ:その他
「土蜘蛛」
放たれるおびただしい糸、全身を絡め取られながらも立ち向かう武者。京都観世会6月例会の能。 「土蜘蛛」は、行き詰まる演技と万雷の拍手の中で、舞台と客席が思いを一つにした 平安時代の武将源頼光が病に苦しむ。 病は大和葛城山の神・土蜘蛛によるもので、武者たちが力を合わせ討ち果たす。 室町時代末期の作と見られるが、現在の私達の「新型コロナウイルス」に重ねずにはいられない。 日本では新型コロナコロナウイルスによる疫病が繰り返し流行し、疱瘡神など神々の仕業とされた。 科学を知らなかった人々の迷信と軽視されがちだが,コロナ禍では現代的な考え方がむしろ災いを深くしていないだろうか。 感染者がしばしば直面する差別だ。病苦に加え、感染対策が不十分だったのではと道義的責任が問われる。 科学の成果で適切な対策をとれば感染のリスクは減らせるが、完全ではない。「自己責任」。 何げない言葉が人を傷つける。 東日本大震災の時に見直された人と人との絆が、コロナ禍では、社会的距離とともに絶たれている気がする。 昔の人々は神々に全責任を委ねることで、隣人同士の無用な争いを避け たのではないか? 祇園祭も疫病対策の祭りだ。「御霊会」と呼ばれ平安時代には神輿を海へ流し厄をはらった。 この時期、疫病は勿論私達の心の痼りも洗い清めたい。 鮎並 青梅 天の川 赤富士 青海苔 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 梅雨明けや 青空高し 朝曇り お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021.08.18 16:35:57
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