地酒焼酎　岩井寿商店　飲みっ話日記

朝、来店された老夫婦が万葉集の本とパンフレットを差出し

柿本人麻呂像と台座に刻まれている藤江の浦の歌を観たいと

道を尋ねてきました。近くにある藤江海岸休憩施設の「旅人像」

のことだとすぐに分かったので道を教えました。





荒栲の、藤江の浦に、鱸釣る、海人とか見らむ、旅行く我れを

万葉集 柿本人麻呂


意味は、藤江の浦でスズキを釣っています。人が見ると海人（あま）

だと思われるでしょうか。旅をしている私のことを。


現在の松江海水浴場のあたりが「藤江の浦」だったらしいです。



しばらくしてまたその老夫婦が来られました。

「良かったわ」「ありがとう」とでも言ってくれるのかなと

想像したのですが、老夫婦から出てきた言葉はその逆で

「柿本人麻呂の像も台座もない」と言うのです。

「休憩でもしてるのですかね」などという余裕もなく「えーっ！？」




えーっと、トイレと




ベンチのちょーど間くらいにでーんとおわすはず






げっ、ない！おわさない！

柿本人麻呂はいったいどこへ？





隅々まで探したけど、どこにも見つからないのです。

まさか、画像のコレを柿本人麻呂というのか・・・。


店に戻り、弟の嫁さんに聞いてみると「ありましたよ」

いやいや、ないのだよ。

明石観光〇〇に電話をしてみた。親切な係りの方が

「先月、その像の写真を撮りに行ったので間違いなくおわす」

というので、もう一度行ってみた。こうなったら意地です。





やっぱりおわさんです。

柿本人麻呂がおわした時の画像と同じ角度で撮ってみた。

やっぱりココにおわしたはずなのだ。そのことを

明石観光〇〇に電話で話すと調査し、報告してくれるとのこと。


しっくりしないまま昼の配達、しかも町の役員さんのお宅です。

柿本人麻呂像のことをダメ元で聞いてみた。

「子供が登って危ないから、撤去してもらったわ」

えーーっ、そーなのー、てか、そんなことできるの？


のちに観光協会の方から報告がありました。

あの像は、何周年記念かの行事で、ある団体から寄贈されたもの。

最近では台座の劣化がひどく、住民から「危ない」との苦情も多く

そのため、撤去されたとのことです。

修理して復活ということも今は考えてないらしい。




あまり気にもとめてませんでしたが、おわすところにおわさないと

何だか寂しい気がします。

因みに母上は、柿本人麻呂像を二ノ宮金次郎だと思っていたそうな。

てか、言い切ってました。










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