カテゴリ:ひとり言
わが国にはその土地その土地に根付いた独特の言葉、言い回しがあります。一口に方言と云ってしまえばそれまでなのでしょうけれど、お国言葉にはそこに住む人々が養って来た気質が自然と感じられて興味深いものがあります。 例えば、「さすけねぇ」。これは「大丈夫だ」という福島県の方言になりましょうが、東北人特有の頑固で辛抱強い気質をよく表しています。未曽有の大災害をもたらした三陸沖に発生した大地震。すべてを飲み込んだ大津波に、原発事故。彼らは大切な身内や生活の基盤をすべて失ってしまってさえ、「さすけねぇ」と耐えた。 同じ難局に立ち向かうにしても、沖縄の人々(しまんちゅ)の使うことばはニュアンスが違ってきます。「なんくるないさぁ~」は、同じ「大丈夫だ」の意味で使うにしても、たとえ困難な局面に立たされても、やるべきことをやっていれば展望が開けるといった意味合いが隠されています。何事も前向きにとらえ、将来に展望を抱こうとする明るくおおらかな気質が感じ取れます。 ではわが故郷北陸富山ではどうか。富山では「だんない」、もしくは「じゃまない」と言います。これは読んで字のごとく「だんない」は「どうもない(支障ない)」、「じゃまない」は「邪魔(障害)にならない」の意ですが、絶えず相手の気持ちになってものごとを考える富山県人の気質をよく表しているといえましょう。 つまり、人と接するとき富山県人は、相手にとって自分が支障あるいは邪魔になっていないだろうかと考える。もし邪魔になっていると判断されれば、「気の毒なぁ~」になる。相手の気に毒となる、すなわち相手に気遣いさせていないかと常に考えるのです。 逆に相手側からしてみれば、「じゃまない(気の毒になるようなことはない)」となるわけです。おもしろいでしょ。 にほんブログ村 FC2ブログランキング 人気ブログランキング PINGOO! ノンジャンル お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021年12月19日 11時50分04秒
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