カテゴリ:酒
昨日と一昨日、アメリカとロシアの歴史から酒事情を探ってみました。 法律を定めて酒を禁じてしまおうとしたのがアメリカ。ロシアは「しらふが正常」と大キャンペーンを張って、飲酒撲滅をはかった。 これはやはり人間の理性のなせるわざいうべきでしょうか。いや、理性を失うほど酒を飲んでしまうから酒を禁じなければならないのだろう。「しらふが正常」ということは、すなわち「酩酊が日常」ということになりはしまいか。しからば、少なくともアメリカとロシアの国民は、理性を有しているのかということからして疑わなければならないことになりますね。 それならば、日本ではどうか。わが国の民は、はたして理性を持っているといえるのでしょうか。 日本では古より、酒はお神酒と言われて来たことを思えば、神代の昔から飲まれて来たのでしょう。古代、中世で禁酒令という触れが出たという話は、聞いたことがありません。比較的資料が残りやすいもう少し後の時代を調べてみると、確かにそれに近い話も目に出来るようではあります。 『日本史がおもしろくなる日本酒の話』(上杉孝久著 サンマーク文庫)では、このような趣旨のことが書かれています。 戦国時代、三本の矢の逸話で有名な中国地方の雄・毛利元就。元就は家中の者が酒におぼれるのを厳しく咎めたといわれています。しかし全く禁じるというようなことはしなかった。酒好きなものには、自ら酒を注いでやりながら飲み過ぎを慎むように言い聞かせた。飲めぬものには、「酒など飲まずともよい」と、餅をすすめたと。 四国に目を転じると、土佐の国から身を起こし四国全土を平定した長曾我部元親の名を上げることができます。今の高知県は酒豪が多いことでも知られていますが、当時の土佐の国の領内で、酒を飲んでのトラブルが絶えなかったことに業を煮やした元親は、「禁酒令」を出した。 しかし、発布したはいいものの、当の本人が無類の酒好き。あるとき家臣の福留隼人に、城中に酒樽を運び入れているのを見とがめられた。 「民に酒を飲むなといっておいて、殿が密かに飲むとは道理に合わない」 と諌められ、出したばかりの禁酒令を取り下げたのだと。 福留隼人もきっと酒好きだったのでしょうね。 にほんブログ村 FC2ブログランキング 人気ブログランキング PINGOO! ノンジャンル お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2022年04月19日 14時31分45秒
[酒] カテゴリの最新記事
|
|