2323370 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

・・・そば!ソバ!蕎麦!・・・酒そば本舗奮闘記!

・・・そば!ソバ!蕎麦!・・・酒そば本舗奮闘記!

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
2022年04月29日
XML
カテゴリ:

人を大雑把に男と女に分けることができるように、酒を飲む人と飲まぬ人というようにも分けることができましょう。いわゆる上戸と下戸というわけですな。

この国の歴史を遡ると酒にまつわる数々のエピソードに出会うことができます。そのほとんどは酒を飲み過ぎての失敗談と言えましょう。先に「黒田節」で話題にした福島正則はその筆頭。上戸が過ぎたゆえに家宝の槍を失うことになった。

一方下戸組となると、酒を飲まないから酔うことはないのは自明。酔うことがなければ、酔っぱらって失態をさらすこともありませんから、彼らの周りには酒にまつわるエピソードが乏しい。

信長、秀吉、家康、光秀……。苗字を書かなくても名前だけでそれが誰であるかわかる人物は、なぜか戦国時代のこの一時期に集中しているのはひじょうに興味深いことです。日本人ならだれでも知っているこの四人の武将に、なぜか酒にまつわるエピソードが残っていないのは、実は彼らは下戸であったからではないかと、俄か歴史学者(←私のことです)は考えるのですが、皆さんはいかが思われますか。今からそれを探ってみたいと思います。

戦国を代表する四人の武将の中で、唯一酒量についての記述が残っているのは信長。
当時来日していたポルトガルの宣教師ルイス・フロイスが記した『日本史』には、信長は「朝早く起床し、酒を好まず、食を節するなど極めて健康的な生活を送っていた」という記述が残されているとか。

信長は数多く時代劇でも取り上げられていますね。酒宴のシーンなどもよく出てまいりますが、家臣ともども和気あいあいとして酒を楽しんでいるといった演出には、お目にかかったためしがありません。たいがいは突然怒り出して、杯を家臣に向かって投げつける。それでも気が収まらず、殴りつけたり足蹴にしたりして、辱めることをためらわない。その足蹴にされた代表格が、秀吉と光秀ということになりましょう。

現役の整形外科医でありながら作家でもある篠田達明は、その著書『モナ・リザは高脂血症だった』(新潮新書)で、「幼児期に親から疎まれた子ども(信長は母親の土田御前に疎遠にされた)は、長じて粗暴かつ奇矯な行動をしめすことが多い」、「こうした性急で激高しやすい性格は、高血圧を招きやすいことが知られている」と記しています。下戸でしかも癇癪持ちであった信長にしてみれば、酒席で家臣たちが当たり前のように楽しげに酒を酌み交わし、大声で笑いあっているのが許せなかったのに違いありません。

私は医者でもなく、かつ歴史学者でもありませんが、たとえ信長が数多く居並ぶ家臣の面前で、光秀を足蹴にして辱めるようなことをせず、ゆえに本能寺で憤死することもなかったとしても、やはり天下を手中にすることはかなわなかったのではないかと考えます。おそらく癇癪が高じて脳溢血でパタリということになったのではないでしょうか。酒で気を紛らわすということを知らなかった、いや知ろうともしなかった信長は、下戸であったが故に大損をしたということになりはしまいか。

一方信長に足蹴にされた光秀。光秀もまた酒を好んだという資料は出て来ないということです。
同じく『モナ・リザは高脂血症だった』には、光秀は極度の近視であったのではないかと書かれています。大阪府岸和田市の臨済宗本徳寺に残されている明智光秀を描いた唯一の肖像画を見て(診て?)、光秀の近視を看破された篠田先生は名医中の名医。私も子どものころからの近眼で、朝目覚めてまずすることは、枕もとに置いた眼鏡を探すこと。それだけによくわかります。

「近視の者は一寸目を細め、あごをあげて相手を見る顔つきをしがちである。これは遠距離に焦点をあわせようとして、知らず知らず目を細めることからおこるくせなのだが、このくせは相手を小ばかにしたような感じがするし、当人の人相もわるくなり他人に不快感を与える」という篠田先生のご指摘は、説得力がありますね。

近眼の上にあまり酒が飲めなかった光秀は、酒宴の席でもきっと所在なげに物思いにふけっているように見えたのかもしれない。上座に座る信長の表情を読み取ろうとして目を細めたその仕草を見た信長は、

「小賢しい! 光秀!」

と、思わず声を荒げずにおられなかったのではないかと私は想像します。

もし光秀の近眼は生まれつきのもので仕方がなかったにしても、もう少し酒を飲めたなら、そして酔いにまかせて泣きごとのひとつも語れるようであったなら、信長の勘気を受けるということもなかったのではないか。

そうであれば、「本能寺」という寺の名も歴史書に残ることもなかったろうし、「山崎の合戦」も起こり得なかったということになりはしまいか。

光秀もまた下戸であったがゆえに損をしたと、言えそうです。







**貴方の共感できる生き方がきっとある**

にほんブログ村



FC2ブログランキング



人気ブログランキング


PINGOO!カテゴリノンジャンル
PINGOO! ノンジャンル






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2022年04月29日 11時50分04秒
[酒] カテゴリの最新記事


PR

サイド自由欄


吞兵衛な製麺会社社長が綴る・・・。

クスっと笑える蘊蓄が満載。酒の文化や歴史、
あらゆる種類の「○○そば」の由来、
偉人の逸話に至るまで。

日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。

◆「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中◆

「酒」と「そば」と


◆酒そば本舗◆

酒そば本舗トップページへ



にほんブログ村 ライフスタイルブログ 生き方へ
にほんブログ村


酒そば本舗奮闘記 - にほんブログ村


FC2ブログランキング



人気ブログランキング


PINGOO!カテゴリノンジャンル
PINGOO! ノンジャンル




ブログ村ブログコンテストで優勝しました


[国際紛争トーナメント]
●中国の要人はどこの国製のケータイを使うべきなのか・・・?

[老人を敬う又は若者に敬われるトーナメント]
●「敬老の日」と「老人の日」

[あっと驚く?トーナメント]
●その手は桑名の焼き蛤よ

[みんなで盛り上げるトーナメント]
●坊さんがランウエイを歩く時代

[みんなが 参加できるトーナメント]
●「消防署カレー」

[無差別級トーナメント]
●ピアスの功罪

[なんでんかんでん12トーナメント]
●お隣の大国の弔い事情

[読書を広げようトーナメント]
●年末年の瀬の事件簿

[歴史にまつわる話題トーナメント]
●「偉人たちのカルテ」

[外交に関することトーナメント]
●「桜の起源」

[ちょっと真面目に9トーナメント]
●「挨拶の本来の意義」

[最近のエントリー3トーナメント]
●「 『わびル』の意味 」

[読書で手を繋ごう8トーナメント]
●「 お奨めの一冊『江戸川柳で現代を読む』 」

[忍び寄る秋の気配トーナメント]
●「夜明け前」

[日常9トーナメント]
●「遊遊漢字学」が楽しみ♪

[そんなまさか! 5トーナメント]
●「ラーメンが好きといっても」

[政治記事 93トーナメント]
●「57憶円ポンと出しますとおっしゃる人」

[バんな そカな4 トーナメント]
●「賢者の夢とやら 」

[心温まる生活99 トーナメント]
●「ヒトはなぜ酒を飲むのか? 」


酒そば本舗奮闘記

人気記事ランキング☆ベスト5


このブログが読まれています!


☆ベスト1 (2007年01月20日)
もりそば1枚の量は?

☆ベスト2 (2013年01月12日)
鉛筆の芯の先が尖った状態を何んと表現しますか?

☆ベスト3 (2015年08月7日)
鳴くはずもない動物の鳴き声

☆ベスト4 (2015年05月26日)
セキセイインコに率いられたスズメの群れを見たことがあります

☆ベスト5(2009年08月26日)
モノを売らずに喜びを売れ・・・!





◆酒そばよもやま話◆

● 粒と粉
● そばと蒸篭(せいろ)
● 月明蕎麦花如雪
● そばの食べ方
● 酒中の仙人
● そばは忌み言葉だった!?



カレンダー

カテゴリ

フリーページ

プロフィール

酒そば本舗店長

酒そば本舗店長


© Rakuten Group, Inc.
X