カテゴリ:ひとり言
今日6月6日はは二十四節気の芒種。稲などの穀物の種をまく時期ということですが、米どころ当地北陸富山では、すでに田植えも終わり青々とした早苗が風にそよいでいます。 当地北陸富山は米どころとはいえ、近年の農業政策の転換により、麦や大豆も作られるようになりました。 この写真では、植えられたばかりの早苗の向こうに刈り入れ前の麦が写っています。 当地は比較的緯度が北に位置する分梅雨明けが遅れるため、梅雨入り前に刈り入れできる大麦が植えられるようです。この時期まだ収穫されていないところをみるとこれはもしかしたら小麦かもしれません。 小麦と言えば、世界中の耳目が注目するウクライナ情勢が気にかかります。ウクライナとその東側のロシアに続く広大な平野は、春小麦の一大産地。世界の小麦市場の3割を占める流通量だということです。 ウクライナには芒種に当たることばはないかもしれませんが、何事もなければこの時期作付けがすでに終わって、青々とした大地が広がっていなければならない。それができないということは、今秋の収穫が見込めないということになります。 私は春小麦がだめなら早く紛争を終結させて、秋に作付けする冬小麦の種を撒けばいいではないかと安易に考えていましたが、かの地は冬になると大地が凍ってしまうので越年する冬小麦は全く育たない。春小麦でなければならないのだそうです。 ・・・ということは、今年の秋、世界の小麦市場から3割の小麦が消えるということにほかなりません。 わが国の食糧政策は、国民の主食である米と麦を量と価格ともに安定して供給するために、政府が一元的に管理(食糧管理制度)しています。とりわけ輸入に頼る小麦は、春(4月)と秋(10月)の年2回、それまで半年間の政府調達価格をもとに払出価格が決まる仕組みになっています。 政府払出麦価は、昨年4月5.5%、10月19%、今年4月17.3%値上げされ、その上げ幅は都合47.3%(1.055×1.19×1.173)にも達します。その要因は主産地である北米の異常気象(寒冷)による凶作によるものです。ウクライナ情勢が反映されることになる今年10月の麦価は、一部の観測によれば30%とも40%とも値上りするのではないかとささやかれています。 仮に40%ということであれば、この1年半の間に約2倍(1.473×1.4=2.06)に跳ね上がることになります。加えて小麦からパンや麺を作るのに使用する燃料油は、昨年比1.45倍、一昨年比1.65倍。欧米諸国によるロシア産原油の輸入禁止が本格的に影響してくる今年12月末には、こちらも2倍近くになるのではとさえ言われています。 小麦粉やそば粉にたずさわるものとして、来年は値上がりするしないの前に、はたして原料粉を調達できるのだろうかということから心配しなければならない。 もう一つの国民の主食を担う米の事情はというと、農業機械の燃料や田に撒く肥料、その他の資材の値上がりが待ったなしの中で、米価が下がる一方なのは皮肉以外の何ものでもありません。これでは農家の方の生産意欲が上がるわけがない。 例年であれば、田畑の早苗と刈り取りを待つ麦がすがすがしく目に映る芒種を迎えるはずが、どうしても気持ちが暗く沈んでしまいがちになってしまいます。 にほんブログ村 FC2ブログランキング 人気ブログランキング PINGOO! ノンジャンル お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2022年06月06日 14時32分41秒
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