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夏山のシーズン真っ盛り。近頃は「山ガール」などという言葉に代表されるように、女性が仲間と連れ立って気軽に山に登る時代です。 日本では古来より「霊山」という言葉(実際に霊山という名の山もある)があるように、険しい山には神が宿っていて不浄にまみれた人間が近づけば、たちまち天罰が下ると信じられて来た。 男女同権、女性の社会参画が叫ばれる現代にそのようなことを言えば女性蔑視・女性差別という鋭い声が飛んできますが、ほんのついこの間まで霊山に不浄と考えられてきた女性が登るなどというようなことは、許されることではなかった。 我が郷土富山県は名前のごとく山に富んだ県。とりわけ立山連峰を知らぬ人はこの国にいないと言っても過言ではないでしょう。 また当地は浄土真宗が篤く信奉されている地域でもあり、立山は浄土山としても崇められてきました。立山に登った人ならご存知でしょう。立山山麓に地獄谷や弥陀ヶ原など呼ばれる地名が実在するのは、その何よりの証と言えます。 その昔男性は責め苦に見立てた厳しい登山を行って死後の往生を願い、霊峰立山を目指したといいます。では女性はどうしたか。霊山立山に登ることが許されぬ女性は、極楽往生を望めなかったのでしょうか? いや、そんなことはなかった。たとえ立山に登れなくても女性も極楽往生が望めたのです。 立山はご存知でも、その麓の立山町芦峅寺(あしくらじ)地区で3年に一度行われる奇祭、「布橋灌頂会 (ぬのばしかんじょうえ)」をご存知の方は少ないのではないか? ウエブトピックスより 時を超え女性を癒やす奇祭「布橋灌頂会 」5年ぶり開催 あの世とこの世の境界とされた朱色の布橋を、目隠しをした白装束姿の女性が渡る。布橋灌頂会とは、その昔信仰の山「立山」への登拝が許されなかった女性たちが、白装束姿で白い布が敷かれた橋を渡る極楽往生を願う儀式。 同時に配信されている写真を見ると、いかにも荘厳な雰囲気が伝わってきます。私も最後尾でかまいませんから、その列に加わらせてもらえたらと思うくらいです。(苦笑! 新型コロナウィルスの蔓延により、三度開催が危ぶまれたとのことですが、儀式を次代に継承したいとする地元の強い意向にょり、規模を大幅に縮小するも開催することが決定されたということです。 女人禁制の立山の麓で行われてきた女人救済の儀式、末永く伝承していきたいものです。 にほんブログ村 FC2ブログランキング 人気ブログランキング PINGOO! ノンジャンル お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2022年08月12日 11時50分06秒
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