カテゴリ:ひとり言
日本ではただ単に花と言えば桜の花を指すくらいですから、桜ほどもてはやされる花はありません。今年は全国的に早く開花したそうですが、今なら北海道で見ごろを迎えるころでしょうか? 当地北陸富山では、すっかり花を落とし葉桜の赴きも忙しい人の記憶にはすでにありません。今のこの時期桜に変わって人の目を楽しませるのは、梨の花。 ウエブトピックスより 富山)白い花のじゅうたん広がる 呉羽ナシの産地 梨の産地富山市呉羽(くれは)丘陵では今が梨の花の盛り。ちなみに富山県では北アルプスの山麓から富山平野に突き出た呉羽丘陵を境に、東側を呉東(ごとう)地方、西側を呉西(ごせい)地方と呼んで区別しています。 さて私は今、同時に配信されている咲き誇る梨の花の写真を見ながら、平安の御世には、梨の花は趣に欠ける花の代表のように言われていたと、高校の古文の時間に習ったことを思い出しています。 枕草子の何段目だったでしょうか。清少納言は「木の花は濃きも薄きも紅梅」と真っ先に書いて、梅を絶賛していたはずですね。この段では桜には一切触れていませんが、桜は言うに及ばずということなのでしょう。 梨の花はというと、「梨の花、世にすさまじきものにして近うもてなさず、はかなき文つけなどだにせず」と散々です。(「すさまじ」という形容詞の意味を問う問題がよく出たものですな・・・苦笑!) しかし、清少納言の非凡さは、後に続く中国での梨の花の評価を白楽天の長恨歌をひいて、「梨花一枝春雨を帯びたり」というくらいだから、楊貴妃の美しさに喩えるほどに梨の花は美しいと言っているところにあると、古文の先生は熱く語ったのでした。 ・・・ほぉ~、そんなものかな。確かに品種改良された"幸水"なり"豊水"なりの呉羽ナシは、みずみずしくて美味いけどな、などとピントの外れたことを連想していたデキの悪い少年も、今では「白髪三千丈」を持て余す歳になったことに驚きを隠せません。 にほんブログ村 FC2ブログランキング 人気ブログランキング PINGOO! ノンジャンル お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023年04月14日 18時28分27秒
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