カテゴリ:ひとり言
今日7月24日は土用の丑の日。今年は暦の関係で8月5日も土用の丑の日にあたるのだとか。古くから日本にはこの日にウナギを食べる風習がありますが、栄養豊富なウナギを食べて暑い夏を乗り切ろうという昔の人の生活の知恵には、まったく頭の下がる思いがします。 さてこの土用の丑の日ですが、何も夏に限ってあるのではなく、今年は1月26日、4月19日、5月1日、7月24日、8月5日、10月28日の6日もあるってこと、ご存じでしたか?ちょっと驚きですよね。 土用の丑の日はウナギにとっては厄日。1年に6回も食べられた日には、ウナギの方が大変でしょうから、まあ2回だけにしておきましょうよ。(笑! このウナギのかば焼きですが、私らが子どものころは文字通り高級料理で、めったに口にすることができなかった。それがこの国の高度経済成長期にアメリカからスーパーマーケットという小売業態が入って来て、特売商品として売られるようになって爆発的に消費されるようになった。 遡上してくるウナギの稚魚を河口で待ち受けて一網打尽にして獲り、養鰻業社に送る。人口の餌を与えて大きくしたら、加工業者の手に渡り、かば焼きにされ流通問屋へ。それがスーパーマーケットで1パック980円とか780円とかで売られるようになって、広く庶民の口を潤すことになった、いわば高度経済成長の申し子。それがウナギのかば焼きではなかったか。 しかし、あまりに安く売られて喜んで食べたつけは、遡上してくるウナギの稚魚が激減するに及んで、日本に世界中から非難の声という形で跳ね返って来た。 ・・・そして、うな重は一折4000円も5000円もする高級料理に戻ってしまい、昼食時に気軽にウナギ屋に入るということは出来なくなってしまった。 幸いなことにウナギの稚魚の相場は2018年をピークに少しずつ下がって来ているようですから、今年こそ土用の丑の日ぐらいはウナギのかば焼きを口にしたいものだと思っていますが。 日本人の大好物マグロの完全養殖の事業化に成功した近畿大学が、ウナギ味のナマズの養殖技術を打ち出したのが、2015年のことでした。 ウナギ味のナマズとは、目からうろこですね。ウナギもナマズもうろこはありませんけれど・・・。(笑! 昔一度だけですが、釣り好きの友人に誘われてコイ釣りに挑戦したことがありました。友人の竿にはマゴイが次々にヒットするのに、なぜか私の竿には小ぶりなナマズ1匹しか掛らずひどく落胆したことを思い出します。 当地北陸富山では、川魚でもコイやフナ(もちろんウナギは当然として)を食べることはありますが、ナマズを食べる習慣はあまりないようです。私も子供の頃よりこの方、ナマズを口にした経験はありませんね。川魚では何といってもウナギとアユが双璧、それにイワナといったところでしょう。 ところがウナギ味のナマズということなら、これは食べてみたいという気になります。 しかし、いまだ当地にはウナギ味のナマズは流通されていませんから、チャレンジの機会もないままなのは残念なことです。 「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。 まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。 はじめに 小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。 「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」 そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。 ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。 ・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。 日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。 そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。 「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。 まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか? 第一部「酒」編 「過ぎたるは及ばざるがごとし」 古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。 「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。 このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。 大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。 3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか? しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。 すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。 確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。 あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。 飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。 酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。 世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。 ぜひご一読いただければ幸いに存じます。 にほんブログ村 FC2ブログランキング 人気ブログランキング PINGOO! ノンジャンル お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024年07月24日 11時50分06秒
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