カテゴリ:ひとり言
ものの本で読んだ話の受け売りですが、月をめでるという行為を楽しむのは日本人だけだそうですね。アメリカ人に月見をしようと誘ったら、当日望遠鏡持参でやって来たとか。なるほど月見には違いありませんが、日本人のいう月見の感覚を教えるのに苦労したということです。 一昨日、ローカルテレビの夕方の天気予報で、「中秋の名月」を話題にしていました。今私は「中秋」と書きましたが、お天気キャスターが「仲秋の名月」と書いたら間違いかと問いかけていました。 ・・・はて「中秋の名月」か「仲秋の名月」か?問われてみれば、自信がなくなってきますね。 答えを先に言えば、「中秋の名月」も「仲秋の名月」も言葉としては間違いではないと。ただし我々日本人が古来より楽しみとしてきた月見をイメージするときは、「中秋の名月」が正しいだろうとも。 秋を大まかに「初秋、仲秋、晩秋」と三つに割った時、中間を指すのが「仲秋」で、旧暦の8月がこれにあたる。だから「仲秋の名月」は、秋の情緒をかもし出す月ということになる。では「中秋の名月」はどうかというと、旧暦8月15日の月だけを指すのだということでした。 旧暦は月の満ち欠けを元にして作られていますから、朔日の新月が徐々に輝きだし、15日に満月となる。以降また欠け出し始めて晦日には闇夜となる。すなわち旧暦8月の中秋は満月と決まっていた。 新暦(太陽暦)が導入されたのは維新後の明治5年の11月のこと。月の満ち欠けを見るだけで月日の流れがたちどころわかった旧暦に慣れ親しんできた民は、大いに戸惑ったということです。 「晦日に月のいづれば、卵の四角もあるべし」と嘆いたとか。 二晩遅れにはなりますが、日本には「十六夜(いざよい)」ということばもありますからね。今宵は家の灯りをすべて消して、パソコンも携帯もオフにして、望遠鏡などという野暮なものも持ち出さず、月見としゃれこむとしますか。 今晩雨が降らないことを願いましょう。まあ、たとえ雨が降ったにせよ、日本には「雨月」ということばもありますから、これもまた赴き深い月というものです。 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024年09月19日 17時25分39秒
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