「遊遊漢字学」が楽しみPART116「春」
毎週日曜日のお楽しみ、漢字学者阿辻哲次氏の日経連載「遊遊漢字学」。本日阿辻先生が取り上げた漢字は、「春」。この「遊遊漢字学」の掲載が開始されたのが2017年の春3月のことでしたから、丸3年にわたって、私は日曜日の朝をワクワクしながら迎えたことになります。春は卒業式のシーズン。別れの季節でもありますね。本日の投稿を以て最終回となるこの講座のテーマが「春」というのは、これはいかにも阿辻先生らしい心配りといえましょう。「春」はもともとは、「艸(くさ)」と「屯」と「日」と書いたのだと阿辻先生は教えてくれています。「屯」には「草木が芽生えるさま」の意があり、そこから「春」とは「うららかな陽ざしのもとに草木が芽を出す」ことなのだと。日本人なら春をサクラの開花とともに実感するでしょうけれど、漢字の本場中国では「柳絮(りゅうじょ)」(ヤナギの綿毛)が飛ぶ時期に春の到来を知ように、いかなる国でも人々が心待ちにする春は、厳しい冬に耐えて静まりかえっていた木々や花々が、うららかな陽光をあびて成長をはじめようとする時に凝縮するようだと。また「春」と「青」をつなぐと、これまたお馴染みの「青春」という熟語になりますね。まあ今さらこの歳ともなれば、ただただ甘酸っぱい感傷がのどをつくばかりの感はありますが、阿辻先生は「青春とは芽吹きだした植物のように無限の可能性を秘めて、これから花を咲かせていく時期なのだ」とおっしゃっておられるように、たとえ枯れ尾花と後ろ指を指されようとも一花咲かせる努力をしてみましょうか。(苦笑!阿辻先生、3年間の長きにわたってありがとうございました。しばらくして後、この「遊遊漢字学」が編集校正されて出版されることを心待ちにしています。そうしたら私もかの孔子を少しでも真似て、「葦編三絶(いへんさんぜつ)」に勤しみたいと思います。阿辻先生には、ご健康に留意され、今後ますますご活躍されますことを心より祈念しています。私の『「遊遊漢字学」が楽しみ』も、本日のPART116を以て終了とさせていただきます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村